「すぐ決まる組織」のつくり方――OODAマネジメント


「すぐ決まる組織」のつくり方――OODAマネジメント

著者:入江仁之 … 

いままで何冊かOODA本を読みましたが、具体的で非常に分かりやすい内容でした。合わせて、DMAIC、OGSMについても思い出しておきたいところです。(Inobe.Shion)

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内容紹介

【「OODAループ」を導入すれば、意思決定のスピードと生産性が一気に上がる! 】

問題だらけで業績が伸び悩んでいる組織を「すぐ決まる組織」「稼げる組織」に変える方法がわかります。

米軍をはじめとする世界各国の軍隊、シリコンバレーのIT企業をはじめとする世界の先端企業で採用されている世界最速の戦略ツール「OODAループ」をビジネスの現場に導入・応用するための初めての入門書です。

日本型組織が陥りがちの12の症状を取り上げ、解決策として、OODAループによる組織の成功原則を紹介します。

経営者、個人事業主からチームリーダーまで、組織の意思決定のスピードと生産性の向上を達成したい方にオススメです。

ビジネスの現場で本当に効果を発揮する“使える戦略・戦術”を学べます。

あなたの組織は劇的に生まれ変わります。

【主要目次】
第1章 想定外の事態に威力を発揮するOODAループ
第2章 「世界観・VSA」を全員で共有することで、組織は大きく飛躍する!
第3章 「自ら考える」モチベーションの高い組織を作る「人事制度:GPDR」
第4章 組織の生産性を劇的に上げる付加価値ベンチマーキング「PMQIR」
第5章 日本型組織の12の症状、OODAループによる組織の成功原則

内容(「BOOK」データベースより)

意思決定のスピードと生産性が劇的に向上する!米軍、シリコンバレーで採用されている世界最速の戦略理論「OODAループ」。予測不能な未来はOODAループで勝ち抜く!さまざまな業種への導入事例を多数紹介。

ほとんどの日本企業はこの戦略理論を知らないで、欧米の経営理論や戦略を表面的に取り入れるだけだから、改革は失敗に終わるのです。その「戦略理論」とはOODAループです。(p.5)
アメリカ軍の全軍はOODAループを全面的に採用することにより、方針を敵に大打撃を与えることを目的とした「消耗戦」から、敵の指導者(意思決定者)の「戦闘意志」を喪失させることをターゲットにした「起動戦」に転換しました。・・・OODAループは、「あらゆる分野に適用できる戦略の一般理論(the grand theory of strategy)」といわれています。(p.7)
OODAループは、次の5つの思考プロセスからなっています。(pp.8-9)

みる(見る、観る、視る、診る):Observe
わかる(分かる、判る、解る):Orient
きめる(決める、極める):Decide
うごく(動く):Act
みなおす(見直す)/みこす(見越す):Loop

組織に適用されるOODAループは、組織が常に変わり続ける状況に対応するための戦略理論です。自分の世界観を持ち、その世界観をそのときの状況や相手の状態に合わせて更新しながら、考え、行動します。軍事でいえば、「敵の戦闘意志」、ビジネスでいえば「相手(顧客やライバル企業)の思い」を探りながら、相手の心をどのような状態にするかを決めて動きます。(p.10)
現場の判断だけで適切なサービスを提供できるようになるためには、経営者とスタッフが「ビジョン:Vision(世界観)」を共有する必要があります。(p.13)
簡単に言えば「夢のビジョン」とは、「顧客に感動を提供する」とか「社会に貢献する」、あるいは「顧客価値を向上させる」といった夢や理想の状態を、それぞれの企業の事業領域に合わせて言い換えて、設定することです。組織のメンバー一人ひとりが行動する際に、自分の行動が「夢のビジョン」と紐づいているかどうか、判断の基準にするのです。(p.14)
もし会社のビジョンが自分にとって価値のある「夢のビジョン」とマッチするのであれば、そのビジョンの実現が自分の目標となります。「夢のビジョン」を設定することで、企業のビジョンと顧客本位の行動を紐づけることができ、組織が進むべき方向性が明確になります。これにより従業員たちは「顧客志向」になり、組織は次第に個々のメンバーが主体的に動く、ワクワクする「自律分散組織」に変化していきます。(p.22)
PDCAは、想定外を前提としているOODAループとは違い、想定外を前提としていない管理手法なのです。(p.25)
VUCAは、「現在の状況をどれだけ知っているか」「行動の効果をどれだけ予測できるか」という2つの軸に基づいて、次の5つのレベルに分けることができます。(p.25)
レベル0 安定:Stable 前例の踏襲や他社の模倣をしていればいい、状況が安定している事態。
レベル1 不安定:Volatile 状況は不安定だが、通常の対応で住むと判断できる事態。
レベル2 不確実:Uncertain 状況が不安定であると同時に、行動の効果の変動があるため、予測不能の事態。
レベル3 複雑:Complex これまで直面したことのない新しい事態だが、これまでの行動の効果の実績から新たな事態に対する行動がどのような効果をもたらすか、ある程度は予測可能である事態。
レベル4 曖昧:Ambiguous これまで直面したことがない新しい事態で、因果関係が全く不明。そして対応広報も先例がなく、対応策がわからない事態。
PDCAが有効な世界はレベル0(安定:Stable)だけです。レベル1~4までの「想定外」の世界にはOODAループが有効です。事態にどのように対処したらいいか、どのように適応したらいいか、どのようにリーダーシップを発揮したらいいか―VUCAのレベルを識別子、どのような行動をとればいいかのヒントを与えてくれます。(p.27)

VUCAの詳しい情報は、こちらの著者である入江さんの会社のホームページの方で公開されていますので、ご覧いただくと理解が深まると思います。(こちら

OODAループが全体最適の思考であるのに対して、PDCAは部分最適の試行であり、実は両者は補完し合う関係にあります。(p.28)
実は人間であれば誰もがOODAループで思考しています。OODAループは人間の認知行動をモデル化した戦略理論なのです。ポイントは、自分がOODAループにしたがって思考していることを意識すること、そしてOODAループの各プロセスにおいてどのように判断したらいいかを学び、身につけることです。そうすることで、想定外の事態が発生しても、迷わずに行動できるようになります。(p.28)
OODAループをひと言でいうと、「夢のビジョン」に結びついた行動かどうかを組織のメンバー一人ひとりが、その場で、その瞬間に判断して、行動することです。組織のメンバー一人ひとりが、自分の世界観をしっかりと持った上で、相手の世界観をしっかりと見据えて、相手の心をターゲットにして決断・行動することです。(p.53)

OODAループの5つのプロセスを企業の活動に当てはめて説明すると、次のようになります。(pp.54-57)

みる(見る、観る、視る、診る):Observe 観察したり、本質を見極めることで、判断に必要な情報を集めること。
わかる(分かる、判る、解る):Orient 「世界観」を作り、それを更新していくこと。自分の「夢のビジョン」をもとに、その実現手段である「戦略」を具体化するための「行動方針」を頭の中で描くこと。
きめる(決める、極める):Decide 直観によるものと論理的な意思決定によるものの2つがありますが、OODAループの場合は直観で判断することが優れているとされています。
うごく(動く):Act 実行すること、あるいは仮説を実際に検証すること。
みなおす(見直す)/みこす(見越す):Loop 「うごく」を終えたあと、あるいは「うごかない」と決めたあとに、もう一度見て、行動方針や戦略を見直すこと(フィードバック)です。ある行動が想定外の結果(失敗)に終わった場合には、その状況に適応するために、それまでの世界観を見直す必要があります(フィードバック)
また、「みこす」とは、「みる」から「わかる」に移る間、「わかる」から「きめる」に移る間、そして「きめる」から「うごく」に移る間のフィードフォワード(見越す)ことです。「次の段階でどうなるか?」ということをシミュレーションして、メンタルイメージを持ってイメージトレーニングします。
 OODAループにおいて特に重要なのは、2つ目のO(「わかる:Orient」)です。「ビッグO」をいわれています。OODAループの「みる:Observe」では、「状況をどれだけ知っているか」を「わかる:Orient」により、世界観に当てはめて把握します。環境の変化に対応するためには、自分や組織が置かれた状況を常に正確に把握するようにします。(pp.57-58)
現代のように前提条件がどんどん変わっていくような時代に適応し、今まで想定してこなかった世界の中で勝ち残るためには、計画の前に戦略が必要になります。・・・実はここにPDCAの欠点があります。環境の変化や想定外の事態への対応が後手後手に回ってしまうのです。PDCAの欠点を補完するにはOODAループの導入が最適です。OODAループとPDCAサイクルを連携させることで、環境に適した行動がとれることに加え、想定外の事態にも対処でき、失敗を回避できるようにもなります。(p.67)
選んだ戦略(道筋)の中で、どのように実行するかを決めるのが計画です。この計画を管理するのがPDCAです。想定の範囲内の世界だけでPDCAを回すのであれば、全く問題はありません。(p.68)
一度決めた戦略であっても、現状とギャップが生じたら、思い切って変えていくことが必要です。さらに、いざとなれば戦略どころか「夢のビジョン」までも見直していくというのがOODAループの基本的な考え方です。(p.68)
「日本企業には戦略がない」とマイケル・ポーターのような海外の経営学者からよく指摘されますが、それはほとんどの日本企業が戦略を1つしか用意しておらず、その戦略の枠内で計画だけを変えているためです。ほとんどの日本企業は「品質の高い製品・サービスを提供する」という1つのビジョンと1つの戦略だけしか持っていません。そして、想定外の事態が起きたら、計画だけを変えることで対応しようとするのです。実は、会社の存亡に影響するものは、計画ではなく、「夢のビジョン」であり、それを実現する「戦略」なのです。(p.70)
戦略や計画に確信が持てないという段階では、仮説を作って検証する「OOHT」というループで回します。OOHTは、まず「Observe:みる(見る、観る)」「Orient:わかる(分かる、判る、解る)」で「自分の認識を顧客や世界に合わせる。世界観を認識する」に続けて、「Hypothesize:おもう(想う)、仮説を立てる」「Test:ためす(試す)、検証する」という流れになります。つまり、自分の世界観や製品観をきちんと認識したうえで、仮説を立てて、それを検証するということを繰り返すのです。(pp.70-71)
OODAループの「きめる(決める、極める):Decide」は決断です。決断するためには、「自分にとってその状況はどういうことなのか」という意味付けをすることが必要です。意味付けは、「センスメイキング」ともいいます。これができて初めて、状況を正確に理解でき、問題解決のための行動をとることができるのです。(p.81)
理化学研究所は、無意識のプロセスである直観力が鍛錬によって身に着けられることを実験により明らかにしちえます。・・・特定の分野において数多くの経験を積むことにより、直観力が身につきます。実は人間のあらゆる行動に直観力が使われているのです。たとえば、歩き方、箸の持ち方、コップの持ち方、自転車の乗り方、ピアノの弾き方などの日常における行動も、大脳基底核によって制御されていることがわかっています。(p,85)
世界観があれば、想定外の事態が起きても頭の中が真っ白になったり、分かっていても行動できないということを防ぐことができるのです。世界観は、こうした想定外の事態への対応だけでなく、気づき、意味付け、アイデア創造、仮説形成、臨機応変の判断などにも影響を与えます。このすべての行動のベースとなる世界観をOODAループの文脈でフレームワーク化したものが、「世界観:VSA」です。(p.88)
OODAループにおける「世界観:VSA」は、次の「VSA」の3つの段階にメンタル・感情「M」を加えた4項目「VSA+M」で定義されます。(p.90)
夢のビジョン:Vision 自分や組織は何を実現したいのか
V(Vision)は5年先以降の自分や会社のなりたい姿、社会や顧客のイメージです。
戦略:Strategy 「夢のビジョン」から逆算して戦略を決めて共有する
今後3~4年ほどかけて取り組む、「夢のビジョン」を実現するために何をどうするかについての方法(戦略)を定めます。
行動方針:Activities Directions 瞬時に動けるように準備しておく
今後、1~2年かけて取り組む行動の方針を決めます。「行動方針」とは、状況に応じてどのように行動するかを定めた方向付けです。
メンタルモデルと感情:Mental Model and Feelings 常に固定観念を見直して、頭の中を更新する
メンタルモデル(Mental Model)とは頭の中にあるものごとなどのイメージ、固定観念です。感情(Feelings)とは心の動きや状態です。

 

「夢のビジョン」の決め方。次の1から4までのプロセスを”繰り返す”ことで「夢のビジョン」を確定していきます。(pp.94-97)

1 5年後の世界を予測して、その世界で達成する姿を示す
まず、5年後の世界を予測するために、5つの外部要因のトレンドを洗い出します。
①自社の事業にインパクトを与えるマーケットのトレンドと今後の顧客ニーズ
②自社の事業にインパクトを与える競合企業のトレンド(方向)と新規参入の力学(動き)(※ただし競合他社に目を奪われ過ぎて顧客の動向を見失っては本末転倒)
③自社の事業にインパクトを与える代替品のトレンドと力学
④自社の事業にインパクトを与える技術のトレンド
⑤自社の事業にインパクトを与える供給者のトレンドと力学
次に、自社の3つの内部要因を洗い出します。
①事業理念(事業憲章)は何か
②優位性の源泉になる将来の自社の能力、人的資本と知的財産は何か
③自社の成長で目指す中長期財務目標は何か

2 顧客の視点に立って価値を提案することで、顧客の心を動かす姿を示す
3 独自性があり、社会的に存在意義がある
4 自らの夢と結びついている

 

なぜビジネスに「世界観:VSA」を取り入れるのか?その目的は次の3点に要約できます。(pp.112-113)

  1. 企業の「夢のビジョン(V)」と自分の行動をヒモづけることができ、行動を起こす際に方向性が明確になります(方向性の明示)。つまり、自分の行動の受益者である顧客の利益と、所属する組織の利益の両方を明示することができるため、方向性が明確になるのです。
  2. 自分たちがこれからとろうとしている行動を「夢のビジョン」と照らし合わせることで、その行動が正しいかどうかが判断でき、確信を持つことができます(行動の確信)。
  3. VSAが長期的に変わらない方向性を示してくれます。「戦略(S)」や「行動方針(A)」の継続性が保たれます(継続性)。
実際にVSAを取り入れている企業は、短期的な業績数値だけに目を向けている企業とは、個々のメンバーの意識の高さが違います。また、持続的な成長を実現する組織能力を持っています。そして、自社が業界で独り勝ちすることを望んでいません。社会にとって求められる存在になることを「夢のビジョン」とし、それを実現するための「戦略」を定めて、組織を運営しています。(p.114)
社員が自分から進んでやりたいと思ってる”内発的に動機づけられた行動”に対して、金銭で報いるなどの”外発的な動機づけ”を与えてしまうと、かえってやる気を失わせてしまうのです。こうしたモチベーションが低下する現象を「アンダーマイニング効果」、あるいは「抑制効果」といいます。(p.116)
単に数値目標を業績給に反映させるのではなく、「夢のビジョン(V)」と「戦略(S)」、それを実現する「行動指針(A)」に焦点を当てるべきなのです。とはいえ、評価指標には「見える化」のツールとしての効果があるため、リアルタイムに現場の状況を知るために使うのはよいでしょう。個々人がKPIをみて状況を把握し、瞬時に行動します。(pp.116-117)
組織にOODAループを導入することにより、メンバー一人ひとりが仕事の本質を見極めた効果的な行動ができる環境を作ることができます。その動きをさらに加速させる仕組みが「人事制度:GPDR」です。GPDRを導入すると、社員の仕事を細かく管理する必要がなくなります。その結果、管理職の数が大きく減って、全員がリーダーとして動くことになり、自然とフラットな組織になっていくのです。(pp.142-143)
G(Goal Settings:VSA、目標設定)
P(Performance Review:パフォーマンス・レビュー)
D(Development:能力開発、後継者育成)
R(Rewards:褒章、昇進)GDPRとは企業の「夢のビジョン(V)」の実現と個々人の活動の方向性や褒賞・昇進を結び付けることです。(p.143)
PMQIRは、OODAループの理論を生産性の向上に適用した付加価値ベンチマーキングの原理です。これは「世界観:VSA」における「行動指針(A)」の1つの普遍的な行動原理で、生産性の大幅なこうじょうとその持続を実現します。(p.180)
PMQIRは、付加価値の視点からすべての業務を完全網羅的(MECE)に分類します。また、対象組織のすべての労働時間を対象にして生産性向上の方法をリストアップします。PMQIRは、ムダな業務カテゴリーの頭文字です。(p.180)
P(Preparation:準備)
作業行うための段取り、ほかの業務のための資料作成などの準備作業です。
M(Move:移動)
特に人員の移動をさします。たとえば、顧客訪問のための移動時間です。
Q(Queue:作業待ち)
作業待ち、作業をしていない状態、処理待ち時間です。
I(Inspection:検査)
検査、承認、確認作業、レビューをさします
R(Redundant:作業の重複)
作業の重複ややり直し作業などです。

それに対して重視すべきなのが、次のCとBです。

C(Customer Value Added:顧客付加価値)
顧客付加価値業務とは、顧客が業務処理費用を負担してでも遂行してほしい思う業務のことです。
B(Business Value Added:事業付加価値)
事業付加価値業務とは、法規制や社会責任上、その遂行が必須となる業務のことです。

非常に勉強になりました。

合わせてこちらも見ておいてもらえると知識が深まると思います。

・OGSM
・人に何かを伝えるとき

 

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