教養としてのテクノロジー

 

著者:伊藤穣一、アンドレ―・ウール

MITメディアラボ所長の伊藤穣一さんが「経済」「社会」「日本」の3つの視点で未来を見抜くと、帯に書かれています。私なりの視点も交じえながら、著者と対話していきたいと思います。(Inobe.Shion)

In many remote areas where Soldiers operate, service members radio over-the-horizon communication from the field to higher headquarters like the brigade is nonexistent. Army scientists and researchers built the SMDC-ONE nanosatellite as an innovative technology solution. The ONE stands for Orbital Nanosatellite Effect.

内容紹介

テクノロジーは未来をどう変えるのか?
日本人はどう変わるべきなのか?
AIやロボットは人間の労働を奪うのか? 仮想通貨は国家をどう変えるのか? ブロックチェーンがもたらす金融・経済への影響は?
世界大学ランキング6年連続1位(*)の米国MITで、メディアラボ所長を務める伊藤穰一が語る「経済」「社会」「日本」──未来を見抜く3つの視点。
*英クアクアレリ・シモンズによる

■本書「はじめに」より
日本は、バブル景気が終わった以降、失われた20年とも30年とも言われてきました。
そして、「平成」が終わろうとしています。
その節目において、2020年の東京オリンピックは、1つの区切りをつける良いきっかけになると考えています。
いまここで、私たちを取り巻く最新の状況を整理し、付け焼き刃ではない「そもそも論」と呼ぶべき、
本質的な議論を始めるタイミングだと僕は思っています。

内容(「BOOK」データベースより)

AIやロボットは人間の「労働」を奪うのか?仮想通貨は「国家」をどう変えるのか?ブロックチェーンがもたらす「金融・経済」への影響は?世界大学ランキング6年連続1位(英クアクアレリ・シモンズによる)の米国マサチューセッツ工科大学(MIT)でメディアラボ所長を務める伊藤穰一が「経済」「社会」「日本」の3つの視点で未来を見抜く。

社会問題に対して、あまり深く考えず「アルゴリズムさえよくなれば、コンピュータが全部やってくれるだろう」というのは、とても危険な考えではないかと感じます。なぜなら、こうしたシンギュラリティ信仰に基づく「テクノロジー・イズ・エブリシング」の考え方が、冒頭であげたような資本主義的な「スケール・イズ・エブリシング」の考え方につながり、本来は社会を良くするためにある「情報技術の発展」や「規模の拡大」が自己目的化して、さまざまな場所で軋轢や弊害を生み出しているように思えるからです。(p.32)
テクノロジーが社会をドラスティックに変えつつあっる現状をふまえて、大きな動きとして話題になっているのが「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」という仕組みです。・・・UBIは1つの考え方ですが、<働く>ことの意味を大きく変えるような動きはこれからも加速していくでしょう。そうすれば、お金のような経済的な価値のためだけに<働く>ことに疑問を持つ人はこれからもっと増えることになります。つまり、お金のためだけに<働く>のではない。「ミーニング・オブ・ライフ(人生の意味)」が重要になってくるのです。(pp.37-40)
MITの博士号をお金で買うことはできませんし、メディアラボで所長を務める僕の周りには、お金で買えないものがあふれています。メディアラボのメンバーは必死に働きますが、彼らを突き動かしているパワーは、間違いなくお金では買うことができない価値です。僕も所長として、彼らが目の前の取り組みに一生懸命になてもらうよう、いろんな仕組みを考えていますが、その仕組みはお金で買えるような道具では決してありません。(pp.91-92)

いろいろと幅広く書かれていますが、結局は、テクノロジーを本当に社会を良くするために使えるか、そこを問っていかなければならないし、問えるように本質を考えられる素養が必要というような内容に思いました。

 

テクノロジーの在り方としては、俗物的でなく、お金では買えない価値を生み出せるようなものとして活かされていったほしいというような著者の想いも何となく感じました。

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