アフォーダンス

【現代思想フォーカス 02】

アメリカの心理学者J.J.ギブソンが提唱した知覚理論の最重要概念。「アフォーダンス」という言葉は、「提供する」という意味の英語、アフォード(afford)の名詞化によるかれの造語である。ある環境内で特定の生物が生息する際、その環境はその生物が活動する可能性を提供している。その環境がアフォーダンスであり、一般に「意味」や「価値」と呼ばれるものにあたる。だがそれは生物が実在に付与するだけの主観的な「意味」ではなく客観的に実在する対象の特性であって、かりに認識する生物が存在しなくとも潜在的に存在するという点にアフォーダンスの特徴がある。

File:2004 MujiWanoSyokki-TeasetMug Masahiro-Mori.jpg

ちょうど今読んでいる『読む力』という書物の中でも

『読む力』より引用
「読む力」には三つの「A」がすこぶる有効である。アナロジー、アフォーダンス、アブダクションだ。その本から何を類推できるのか、何を連想したかということ(アナロジー)、その本によって何が制約されたのか、攻め込まれたのかということ(アフォーダンス)、その本によって何を前方に投げられるのか、どんな仮説がつくれるのかということ(アブダクション)、この3つだ。この3つのAが本を読むたびに立体交差をするように動けば、「読む力」は唸りをあげていく。読むとは、従属することではない。守って破って離れることだ。読むことによって、読者はもう一冊の本を編集できるのである。(p.7)

いうようなことが書かれていて、「アフォーダンス」が出てきました。よく意味が分からなかったのですが、『現代思想フォーカス』のこの部分を読むと理解できました。

それぞれの生物はそれぞれのアフォーダンスと相互に深く関係しており、それ自体が一体となった一つのシステムを形成している。それゆえあるアフォーダンスを特定することは、そこでどのような生物が生息し、また生息可能であるのかを特定することを意味し、逆にある生物を特定することがその環境を特定することを意味することになる。

この部分の「生物」というところを「類推、連想」と置き換えるとすっきりと頭に入ってきました。

またこのアフォーダンスの考え方を「企業」に置き換えて考えると、企業組織についても違った見方ができるような感じがしてきました。

学ぶべきことはほんとに多く、道険しと改めて感じる今日この頃です。

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