ビジネスパーソンのための世界情勢を読み解く10の視点


ビジネスパーソンのための世界情勢を読み解く10の視点 ベルリンの壁からメキシコの壁へ

著者:森 千春…

「ベルリンの壁からメキシコの壁へ」というサブタイトルがついています。著者は読売新聞の特派員で、世界の変化を目の当たりに見てきた人。現在は大学の非常勤講師もしていて、この著書はそこでの講義がもとになっているとのこと。こういうのを見ると、私も講師してみたくなります。(Inobe.Shion)

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内容紹介
読売新聞海外報道30年の著者が解説
グローバル化逆流の時代、生き残りを賭けた闘いが始まっている!1989年、特派員として「ベルリンの壁」崩壊に遭遇した著者が、
トランプ米大統領が「メキシコの壁」建設を主張している現在まで、
各国での取材体験に基づき、混迷と激動の世界情勢の読み解き方を考察する。
「ベルリンの壁」崩壊からグローバル化は加速し限りなく続くかに見えたが、
いまやアメリカを筆頭として多くの国が閉鎖的になりつつある。
このグローバル化逆流の時代、「国家」が存在感を高め、生き残りを賭けて動き出す。
世界の行方は? その中で日本はどうする?内容(「BOOK」データベースより)
特派員として「ベルリンの壁」崩壊に立ち会った著者が、各国での取材体験をもとに、この混迷と激動の世界情勢の読み解き方を考察する。「ベルリンの壁」崩壊からグローバル化は加速し限りなく続くかに見えたが、いまやアメリカを筆頭として多くの国が閉鎖的になりつつある。グローバル化逆流の時代、「国家」が存在感を高め、生き残りを賭けて動き出す。世界の行方は?その中で日本はどうする?

一見バラバラに起きている現在進行形のニュースについて、歴史的な背景をたどることで、それがつながってくると著者は言います。そして、それは国際ニュースを理解するためのコツの一つであり、そのコツを大学の授業でもやって、本にしたいと思ったということのようです。

この本の主役は国家です。グローバル化の中で個々がどのように振る舞っているのかをとらえます。ある国家の行動を説明するには、歴史によって形成されてきた国家の性格に目配りする必要があります。(p.4)
「ネーション・ステート」という国家観を把握することが、世界の歴史や現状を考える上で手掛かりとなります。「ネーション」には、「国民」「民族」の2つの意味があります。「ステート」は国家です。「ネーション・ステート」は、日本語では「国民国家」か「民族国家」となります。この考え方は、今日に至るまで世界中に影響を及ぼしてきました。「ネーション・ステート」という国家観の本家は19世紀のフランスでした。18世紀のフランス革命と19世紀初頭のナポレオンの活躍によって、フランスが欧州大陸一の強国として浮上しました。近隣地域を軍事力で支配しただけでなく、思想的にも影響を与えます。(p.23)
「ネーション・ステート」とは何か

  • 国王の財産ではない
  • はっきりした国境を持つ
  • その内側に住む人々は、同じ言語を話し、国民として連帯意識を分かち合う
  • 一つの中央政府のもとに統合されている

この定義には、「共通の言語」が登場しています。言語は、民族とネーション・ステートを結ぶ蝶番と言えます。(pp.23-24)

19世紀のヨーロッパにおいて、ネーション・ステートの衝撃波によって、「民族」が広く意識されるようになりました。「民族」という考え方は近代の産物なのです。(p.24)

広辞苑によると、「民族」の項には次のように書かれているようです。

文化や出自を共有することからくる親近感を核にして歴史的に形成された、共通の帰属意識を持つ人々の集団。特に言語を共有することが重視され、宗教や生業形態が民族的な伝統となることも多い(以下略)(p.24)

文化、特に言語を共有するところが重要だということです。

国民(ネーション)の特性はしぶといのです。そのしぶとさが、世界が変動期に入った今日、それぞれの国家の振る舞いに、明確に現れ始めています。主流派と表現したのは、ネーションの性格を担っている人々です。あるいは、意識的にであれ、無意識的にであれ、特性を担っていると信じている人々です。トランプは大統領選で、どれだけ既成マスコミの批判を浴びてもアメリカの主流派の支持を得さえすればいい、という確信があったのでしょう。(p.26)
ナショナリズムとは、第一義的には、政治的いな単位と民族的な単位とが一致しなければならないと主張する一つの政治的原理であるーというものです。(p.28)
ネーションの性格を語るうえでは、多くの事実を踏まえることが肝心です。私たちが仕事や私生活で観察したり感じたりしたこと、メディアで報じられるニュース、そして歴史上の出来事などです。気を付けなくてはならないのは、ネーションの性格を語るといっても、あるネーションをまるごと表現しようとしているのか、ネーションの中の特定の層についての表現なのか、意識する必要があるということです。(p.28)
民族と国家の関係を考えると、この約30年間で、はっきりしたことがあります。それは、民族は独自の国家を作ろうということです。ドイツ統一は、その傾向の起爆剤になったと言えます。ソ連が崩壊する過程で、多くの民族が固有の国家として独立していきました。・・・今日、世界を読む上で重要なのは、それぞれの国家の性格です。新たな激動期に、それぞれの国家の性格がしぶとく自己主張しているのですから。(p.48)
EUは、域内での国境を越えたヒト、資本、サービスの流れを自由化してきました。EUは単一市場を形成しているのです。「ヒト、モノ、資本、サービスの移動の自由は一体だ」というのが、EUの大原則です。つまり、ヒトの流れを制限するならば、モノの自由な往来を享受できない。具体的に言えば、EU加盟国からの移民流入を制限するならば、単一市場の自由貿易には参加できないというわけです。(p.64)

このような感じで下記の10の視点について論じられています。

  1. グローバル化の時代だからこそ国家の役割は重みを増す
    —ネーションの復権が起こす世界各地の大変動
  2. 政治指導者は先見性が問われる
    —「ベルリンの壁」崩壊とドイツ統一
  3. 激動期にこそ各国の性格が現れる
    —イギリスのEU離脱とトランプ当選
  4. 理念へのこだわりはつまずきにつながる
    —実務家メルケル首相の難民政策での失敗
  5. 民族の性格が危機を招く
    —韓国の苦悩
  6. グローバル化した世界でも、核兵器は格別の強みとなる
    —北朝鮮の核開発
  7. 宗教を知れば世界が見える
    —アラブの春から「イスラム国」へ
  8. 民主主義は後退する局面にある
    —プーチン大統領のロシア
  9. 帝国が復活している
    —南シナ海を巡る中国とアメリカの対立
  10. 生き残りのためには強みを生かす必要がある
    —日本の厳しい安全保障環境

視点その1の「国家」「ネーションステート」という部分はいろいろと考えさせられるいいワードでした。

今後は、これらの10の視点、意識しながら国際情勢を見ていきたいと思います。

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