人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質
著者:山本 一成

内容紹介
★「情熱大陸」(TBS系列)、「NHKスペシャル」にて大反響!
★ 朝日新聞書評にて野矢茂樹氏(東京大学教授・哲学)が絶賛!
★ その他、各種メディアにて賞賛の声多数2017年4月1日――人工知能「ポナンザ」が現役の将棋名人に公式戦で初めて勝利した日を、その生みの親である著者は次のように振り返ります。「この日は、コンピュータ将棋の世界にとって記念すべきものになりましたが、同時に改めて、人間と人工知能の違いを認識させられた日ともなりました。
本書で紹介してきた人工知能(ポナンザ)の特徴と、世界に意味を見つけ物語を紡いで考えていく人間の思考法の限界が明確に表れたのです。」本書の魅力は、このフレーズに象徴される「人工知能と人間の本質的な違い」
そして「知能と知性の未来」を、
◇プログラマからの卒業
◇科学からの卒業
◇天才からの卒業
◇人間からの卒業
という4つの章で見事に段階的に説明している点にあります。そしてもう1つの読みどころは、著者が研究の最前線で遭遇した驚くべき事象や、
囲碁・将棋のプロ棋士たちの人工知能への反応を鮮やかに記述していること。

◇黒魔術化する人工知能
◇黒魔術の1つ、「怠惰な並列化」とは
◇ディープラーニングは 知能の大統一理論になれるか?
◇サイコロにも知能がある!?
◇囲碁は画像だった!
◇知能の本質も画像なのか?
◇科学が宗教になる瞬間を見た
◇研究者は「人工知能の性能が上がった理由」を説明できない
◇人類はこれから、プロ棋士と同じ経験をする

などなど、目からウロコの解説の連続で、既存のどんな人工知能の解説書よりも面白くてわかりやすい、必読の1冊となっています。

内容(「BOOK」データベースより)
人工知能は今、プログラマの手を離れ、既存の科学の範疇を超え、天才が残した棋譜も必要とせず、さらには人間そのものからも卒業しようとしています。その物語を、できる限りやさしく語りました。

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯]
[目的・質問]
[分類]  007.13:人工知能.パターン認識, パターン認識(情報科学)

電子メール, 通信, 男, 人, インテリジェント, 人工知能, コンピューター科学, 電気工学, 技術

現代社会において、コンピュータはなくてはならないものです。様々な活動を支え、多様な機能を持つように見えるコンピュータなのですが、本質的に言えば、できることは2つだけです。一つは、「とても簡単な計算」です。そしてもう一つは、「覚える」ことです。(pp.16-17)
コンピュータ将棋に限らず、知的な行動はおおよそ2つの行為を駆使しています。それは「探索」と「評価」です。ほぼすべての知的な活動は、「探索」と「評価」のうち少なくともどちらか一方、あるいは両方である、ということができます。つまり、私たち人間も、あらゆる動物や昆虫も、「探索」と「評価」を常に行っているのです。(p.20)
探索=エミュレート、でしたが、探索+評価=シミュレート、と理解していただいても大丈夫です。エミュレートは機械的で正しさ湯戦の予想の方法でしたが、シミュレートは「評価」によって何を探索すべきか目星をつけていきますから、より深く調べることができます。ただし、間違う可能性は一気に高くなります。そのため、航空・金融・宇宙など安全や正確性がより求められる分野のコンピュータでは、シミュレートではなくエミュレートが使われる割合が多いようです。(pp.28-29)
今まで計算不可能だった問題を計算可能にするのが、人工知能における課題なのだとも言えます。コンピュータと人間がその性能を争っている分野というのは、つい最近まで計算不可能と思われていた問題が計算可能な問題になっている途中なのです。(p.48)
結果として将棋プログラマの主な仕事は、いかに上手に将棋プログラムを機械学習させるようにするかということになっています。いわば勉強そのものでなく、勉強の仕方を教えるようなものです。(p.76)
ほかの機械学習の手法になりディープランニングの特徴は、自由度の高い入力や出力の設計です。例えば入力を音声にして、音声に適した画像を出すといったこともできますし、画像を入力して、適切な説明文を出力することもできます。こう言った考えを「マルチモーダル」と言います。また、最先端の人工知能でも入力と出力のルートは限られていますが、もし「入力→出力」の経路を画像・文字・音声からそれぞれ自由に選ぶことができ、しかもしれが正確だとしたら、もはや多くの人がそれを知能と認めざるをえなくなるのはずです。(pp.104-105)
2014年以前、ポナンザを含めた将棋プログラムにおける機械学習は、基本的にすべて「教師あり学習」と呼ばれるものでした。しかし、「教師あり学習」以外にも学習方法があります。それが「強化学習」です。人間も人工知能も「教師あり学習」と「強化学習」の両方で学習しているのです。人工知能に限らず人を含む知能全般の学習方法は、概ねこの2つと言ってよいでしょう。そのため、コンセプト自体は心理学などの分野でずっと昔からありました。ポイントは、「教師あり学習」がその名の通り、お手本となる教師を必要とするのに対し、「強化学習」は教師を必要としないということです。強化学習では、未知の環境であってもコンピュータが投機的に調べて、結果をフィードバックすることで学習していくのです。フィードバックを繰り返すことによって「評価」が“強化”されるから、強化学習というんですね。(pp.123-124)
人工知能の開発においては、必ず大量のデータが必要になるのです。そのうえで、最初は「教師あり学習」。そしてその後は「強化学習」に移るはずです。この流れは今後人工知能が普及するなか、さまざまな場面で出てくると思います。(p.130)
いまから10年ほど前に、ある方法が囲碁に適用できることが発見されました。「モンテカルロ法」です。(p.141)

モンテカルロ法を知るにはこのサイトが分かりやすいです。でもこんな発想・・・、ホントに思いついた人、尊敬します。

いま、人工知能は多くの場面で人間をお手本にした「教師あり学習」をしています。多くの場合はそれだけで十分に技能が高められるでしょう。しかし、強化学習とディープラーニングの組合せによって、人工知能は人間のお手本からも離れて、はるかに上のレベルに到達することが、少なくとも囲碁の世界では証明されてしまいました。今、人工知能は天才からも卒業する時代になったのです。(pp.167-168)
「知能」と「知性」の違いについてはいろいろな説明の仕方があると思いますが、本書ではずばり「知性とは目的を設計できる能力である」と定義します。また「知能」は探索と評価で目的までの道筋を探すことができる能力でした。なのでわかりやすくまとめると、

知性=目的を設計できる能力
知能=目的に向かう日を探す能力

となります。(p.171)

今の人工知能は、「知能」の枠内では人間を超えようとしていますし、一部の分野では完全に超えました。しかし、「そもそも何をすべきか?」という目的を設計できる能力=知性は、まだ持ち合わせていません。そうした目的は、人間が設計しなければならないのです。たとえば、ポナンザの目的は、「将棋で勝利せよ」になります。ただし、一言で「目的」と言っても、人間はさまざまな設計の仕方をしています。たとえば目的での距離が大きいときには、人間はしばしば適切な中間の目的を設計します。(o.172)
私は、(中間の)目的を設計するのは、「意味」と「物語」にとらわれた、人間ならではの能力だと考えています。何かを見たときに、それに意味を感じ、物語として理解する―これは、人間の可能性であると同時に限界にもなっているのです。たとえば将棋であれば、人間は相手の言って一手に意味を求め、なんらかの目的を持った物語として理解しようとします。(pp.180-181)
人間は、あらゆることに意味を感じ、物語を読み取ろうとします。この能力=知性によって人工知能にもならぶパフォーマンスを出すこともありますが、それは意味や物語から離れることができないという制約にもなっています。一方、人工知能は、意味や物語から自由なために人間を超えることができますが、目的を設計するという知性を持つことはできていません。・・・しかし、人工知能が真の意味で人間を超えるには、世界の物語的な解釈も可能になり、中間の目的も自ら設計できる「知性」を獲得してもらわなければならないのです。(p.182)

いやぁ、これは面白かった。評論家の書いた人工知能本とはまた一線を画すというか・・・・読み人によっては同じなんでしょうけど、私もデータ分析、データマイニングをやっている人間ですが、おこがましいですが、感じるところがあったといいますか・・・そんな感じです。

でも、一番、響いたのは、ポナンザを創りながら、「将棋とは何か」「知能とは何か」を考えた・・・そこに深さを感じました。

全く次元は違うのですが、私も転職したばかりですが、改めて「仕事」とは何か、「働く」とは何か、何のために転職したのか、どこに向かうために転職したのか・・・・・改めて自分に問いかけたとき、今の自分にとって腹落ちする明確な答えが出せないこと気がつきました。転職活動中などは、自分なりにそれをまとめて納得しながら動いていたのですが、実際に転職して、いろいろな環境の変化、出会い、思い違い、、などが発生していく中でそれが崩れてしまっていることが否めません。ですが、それ崩れていることに気づかないまま何かしらの違和感だけが残っていました。

なんか全然関係ないのですが、筆者がポナンザを創る中で感じたようなことから、展開してそんなことを考えました。ある意味、こういった発散てきなことは人工知能はまだまだ苦手なのでしょう、収束させるのほうは得意だとは思いますけど。

でもいろいろと考えさせられまして、私にとってはこの本との出会いは良い出会いでした。

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