職場の問題地図


職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方

職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方
著者:沢渡 あまね

メディア掲載レビューほか
なぜワークライフバランスは実現しない? 職場の問題を図解して5万6000部

ワークライフバランス。近年、急速に存在感を増した言葉だが、実現している人や会社はどれほどか。著者は日産自動車などの大手企業に勤めたのち、経験を活かして業務改善・オフィスコミュニケーション改善士に転身。残業だらけの社会に一石を投じてきた。本書もその活動の一環で、特色はタイトルにもある「問題地図」だ。本の冒頭に挟まれた地図を見れば、問題の因果関係が一目瞭然。たとえば〈だれが何をやっているのかわからない〉という問題には〈会話がない〉〈「自分のやり方が正しい」という思い込み〉といった項目に矢印が繋がっている。

「『地図』は著者のコンサルティング活動で実際に使われて来たもの。つまり、現場で叩き上げられて育ってきたアイデアなんです」(担当編集者の傳智之さん)

濃い情報量と読みやすさの両立で、堅実に売れ行きを伸ばしてきた。

「20代、30代を主な読者と想定していたのですが、タイトルのせいか、刊行直後は書店では総務や人事の方向けの本の棚に置かれてしまって(笑)。でもおかげで人事の専門誌などで取り上げられ、初速に弾みがつきました。結果的にはよかったです」(傳さん)

刊行と同時期に、電通の過労死問題が大きく取り沙汰されたことも売れ行きに影響した。3月にはプロジェクトマネジメントのノウハウを説いた第2弾『仕事の問題地図』も刊行。2冊合計部数は10万部を超える。

評者:前田 久

(週刊文春 2017.04.06号掲載)

内容紹介
「“残業するな”と上司がうるさいので、帰ったことにして家で仕事している」
「残業はすべて管理職が肩代わり、管理職はいつもゲッソリ……」
「他人に構う余裕がなく、会話がなくなった」
「裁量労働制……お金にならない残業が増えただけ」

そんな職場の“あるある”な問題は、なぜ起こるのか? 原因と全体像を図解しながら、解決策を教えます。

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯]
[目的・質問]
[分類] 336.2:合理化. 生産性. 能率

 

「働き方改革」として、官邸でも頻繁に議論されているようなんですが、何なんでしょうかね。最終的なゴールをどこに向けてやっているのでしょうか。例えば、ブータン王国は世界一幸せな国なんて言われたりしていましたが、ユネスコが行っている「世界幸福度ランキング」では1位がノルウェーで、日本が51位、ブータン王国はなんと97位なんですって。

ブータン王国が世界一といわれているのは、ブータン王国自身で行っている基準(結構、東洋的な指標)で行っていることをアピールしているようです。確かに、世界的な基準で図られても、それが本当にその人にとっての「幸福」を表しているのか・・・・、それなら自国基準で図っているブータン王国のようにあるべきだと感じています。

さて、前置きはそれくらいで、この本でも同じような疑問から始まっています。本当に「ワークライフバランス」ってできているのか?表面上に見えやすいKPIを改善させることで、悪循環になっていないか・・・・。

  1. 定時で帰っているのは一部の部署だけ。皆、相変わらず夜遅くまで残業している。
  2. もっと仕事したいのに、無理やり帰らされてモチベーションダウン。
  3. 終わらない仕事が日に日にたまっていく・・・・
  4. 仕事の品質が下がり、クレームの嵐。
  5. やりかけの仕事が気になって、むしろストレスフル。
  6. 他人に構う余裕がなく、会話がなくなった。
  7. 「残業するな」と上司がうるさいので、帰ったことにして家で仕事している。
  8. 定時退社日以外の日の残業が増えた。勘弁してほしい。
  9. 残業はすべて管理職が肩代わり。管理職はいつもゲッソリ。
  10. 裁量労働制・・・お金にならない残業が増えただけ。

あなたの勤務先のワークライフバランスは、単なる言葉遊びに過ぎないかもしれません。そして、このだれも幸せにならない悲しい状況を、少しでもあなたに変えてほしいと願っています。(p.4)

「ワークライフバランス向上」の名のもとに行われている、2つの代表的な施策として、「①残業を減らせ!」「②コミュニケーションを改善しよう!」が挙げられています。

 

これって実はあり得ないことだと思いますね。基本的には従業員は減っているところが多いと思います。確かにIT化で仕事の効率自体は上がっているように思われます。もう時間当たりの作業量は限界にきているのではないでしょうか。

そう考えますと、網掛けで作者が提示している10の問題点は確実に起こってくると思うのです。

それって、解決する術はあるのでしょうか?

研修は、所詮個人のスキル強化にすぎません。それも大事ですが、個人のスキルアップだけでは、仕事のやり方は良くならない。むしろ、日々の報連相のやり方や会議の進め方などのプロセスを見直すほうが大事です。・・・組織のプロセスづくりをすっ飛ばして、個人のスキルだけ高めようとするからうまくいかないのです。(p.8)

よくサッカーのプレーヤがインタビューで言いますが、個の力と組織の力の問題ですね。また組織の凝集性なども問題になってくるでしょう。ふと思ったのですが、小中学生の学力調査で、全国学力テストなどがされていますが、それと同じで、企業でも「個の力」「組織の力」などを評価するテストを作って、たとえば、個に依存する属人性を評価したり、組織としての凝集性を評価して、組織診断や将来のリスクに対するアセスメントなどができたら有益なように感じましたが、そういうのってないんでしょうか?

制度面とスキル面以外にも目を向けた、根本的な改善策を打たなければダメです。具体的には、「制度」「プロセス」「個人スキル」「場」の4つの観点で、あなたの職場の問題点を洗い出し、できるところから良くしていきましょう。(p.10)

非常に、実例イメージも絡めながら、わかりやすく書かれています。

「問題地図として11点」と、「仕事の5つの要素」で整理すればよいということで、これを意識していればマネージメントも上手くいきそうな気がしますね。

仕事の5つの要素
  1. 目的
    その仕事は何のために、誰のために行うのか?
  2. インプット
    その仕事を進め、成果物を生むためにどんな情報・材料・ツール・スキルなどが必要か?
  3. 成果物
    生み出すべき完成物あるいは完了状態は?期限は?提出先は?
  4. 関係者
    巻き込むべき関係者・協力者は?インプットはだれ(どこ)から入手すべき?成果物はだれのため?
  5. 効率
    その仕事のスピードは?生産量は?コストは?人員は?歩留まり(不良率)は?
11の問題地図
  1. 手戻りが多い
  2. 上司・部下の意識がズレてる
  3. 報連相ができていない
  4. 無駄な会議が多い
  5. 仕事の所要時間を見積もれない
  6. 属人化
  7. 過剰サービス
  8. 「何を」「どこまでやればいいのか」が曖昧
  9. 仕事をしない人がいる
  10. だれが何をやっているのかわからない
  11. 実態が上司や経営層に伝わっていない

さて、以下Tipsを書いていきます。私自身ができていないこと、あるいは暗黙知的にやってはいるが、部下に明示すべきことなど・・・、こういったことって本来は、しっかり教育しないといけないのでしょうが、OJT任せでばらつきが大きいですよね。著者も書かれていた『「制度」「プロセス」「個人スキル」「場」の4つの観点』のどれというわけでもなく全体に共通しているようなこと・・・。ファンダメンタルというか、そういうところがないがしろになっているような気がしますね。

報告するときのポイントは、
①所要時間を示し、相手の都合を確かめる
②まず「報」か「連」か「相」かを伝える
③結論を伝える
④論点を数で示す
忙しい職場であればこそ、伝え方を工夫して、お互いがイライラしないよう済ませたいものです。(pp.58-59)
部下の報告を受ける際には、「リ」+感情ワード。「リ」はリピート(復唱)のリ。それに自分の感情や相手の感情を示すひとことを添えてあげるのです。(p.66)
一時作業を依頼されたとき、成果物の選択肢を相手に示せると重宝されます。たとえば、あなたが上司から先月の売上データの提供を依頼されたとします。
「国単位、億単位のデータでよければ、1時間で出せます。支店単位だと、2時間かかります。支店単位、1円単位だと、2時間半はかかりますね。どれにしましょうか?」
こんな感じで、「松竹梅」のオプションを提案できたら理想的ですね。(p.111)

部下に依頼するときもオプションを出させて、仕事をさせる癖をつけさせる教育をしていきたいところです。これはWin-Winで手戻りのリスクも減らせます。依頼した側も成果物のイメージがしやすく、判断も少なくてすむ。依頼された側は、作業効率よく進められ手戻りリスクも抑えられるでしょう。

コンパクトにまとめられていて、ポイントがしっかりと再確認できました。

ほかにも著者の作品、いくつかあるようですので、読んでみたいと思います。

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