歴史の大局を見渡す


歴史の大局を見渡す ──人類の遺産の創造とその記録 (フェニックスシリーズ)

歴史の大局を見渡す
──人類の遺産の創造とその記録 (フェニックスシリーズ)
著者:ウィル・デュラント,アリエル・デュラント,
Will Durant,Ariel Durant

内容紹介
ピューリッツァー賞受賞の思想家2人が贈る、珠玉のエッセイ集。

著者たちの名声を確固たるものにした超大作“The Story of Civilization”(文明の話)のあと、その既刊10巻のエッセンスを抽出して分析し、歴史から学べるレッスンという形でまとめたものが本書である。

結果として、文化や文明の発展、人間性の洞察、モラルと宗教、国家の行動、人類の進歩の方向性などを概説する書となった。彼らはライフワークを完成させるため、歴史についての思索を重ね、戦争や征服や創造を通して人類が歩んできた長い道のりの意味を探し求めた。

そして、読者にも自分たちの時代を理解することができるよう、壮大なテーマを与えてくれているのである。筆者たちの探求の旅の一端を本書で共有することは、大いに心おどる知的な冒険となるだろう。

13のエッセイを通して、人類の過去の体験を概観し、今を生きるヒントを得られる、秀逸な歴史書である。

内容(「BOOK」データベースより)
人間の性質、国家の行動について考えるうえで有用と思われる出来事や論評を13のエッセイにまとめた。新事実を知るのではなく、人類の過去の体験を概観して欲しい。

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] ちょうど、歴史の大局を見渡したいと思っていたため。
[目的・質問] まさに、歴史の大局を見渡すこと。
[分類] 204:論文集. 評論集. 講演集

 

どう考えても、歴史について書く作業は科学とはいえない。せいぜい、産業、芸術、哲学といったところだろう―真実を追求する産業であり、種々雑多な資料に意味のある秩序を与える芸術であり、広い視野と深い認識を求める哲学である。「現在は過去の集積にほかならない。過去に目を目を向けることで現在を理解することが可能になる」。私たちはそう信じ、そう願っている。哲学では全体に照らして部分をとらえようとする。「歴史という哲学」では過去に照らして現在をとらえようとする。どちらも理想にすぎないのはわかっている。全部把握するなど無理な話だからだ。(pp.12-13)
人は長い宇宙の歴史における一瞬の存在であり、地球のつかの間のゲスト、ヒトという種の一員、ある人種の中の一人でもある。心と体と個性を備えた、家族とコミュニティの成員で、信仰を持つ人もいればもたない人もいる。経済活動の一端を担い、たぶん民間人か軍人である。そこで、それぞれの点―天文学、地質学、地理学、生物学、人種学、心理学、道徳、宗教、経済学、政治学、戦争―から、歴史が人間の本質、行い、将来について何を教えてくれるかを考えてみたい。(pp.13-14)
技術が発達すると、地理的要素はあまり大きな影響力をもたなくなる。その土地の特徴や地勢によって農業や工業、通商の可能性が開かれるが、その可能性を現実に変えられるかどうかは、リーダーの想像力や先導力、。それに続く人々のたゆまぬ努力にかかっている。そして、こうした力の組み合わせだけが(今日のイスラエルにその例を見ることができる)、幾多の障害を克服して文化を生み出すことを可能にする。地球ではなく、ひとが文明を創るのである。(p.20)
歴史から得られる生物学的教訓は、人生は競争だということである。競争は生きていく上で必要というだけでなく、命を賭けたものである―食料が十分あれば平和だが、食料が不足すると争いが生じる。・・・歴史から学べる第二の生物学的教訓は、人生は淘汰だということである。食べ物や配偶者、権力をめぐる争いで、ある者は勝利し、ある者は敗れる。生存競争では、他より有利に試練に立ち向かえる力を備えた者がいる。・・・第三の生物学的教訓は、生き物は子孫を増やさなければならないということである。どんどん繁殖することのできない生き物は、自然にとって用無しである。質のよいものを選択するための前提条件として自然は量を重視する。(pp.22-27)
人口が増えすぎて食糧不足になったとき、自然はそのバランスを回復するために三つの策を用意している。それは、飢饉、疫病、戦争である。トマス・マルサスは主著『人口論』(1798年)で、こうした調整が定期的に行われないかぎり、出生率が死亡率をはるかに上回り、食糧生産を増やしてもとても追いつかないだろうと述べた。・・・第二版(1803年)では、生殖目的以外の性交を控えるよう忠告した。しかし、それ以外の方法で産児制限することは認めなかった。この高潔な助言が受け入れられることをほとんど期待しなかったマルサスは、人口と食糧のバランスは将来も過去同様、飢饉、疫病、戦争によって保たれるだろうと考えた。(pp.26-28)
歴史における人種の役割は創造ではない。創造のお膳立てするのが人種の役割である。ある土地へ、さまざまな時代にさまざまな人種がさまざまな土地からやってくる。そして、有性生殖の過程で二つの異なった遺伝子の集まりが一緒になるように、新たにやってきた二つの人種、あるいは新たにやってきた人種と古くからいた人種の血や伝統、習慣がそこに混ざり合う。(pp.41-42)
文明を創るのは人種ではないが、人を創るのは文明である。地理的、経済的、政治的環境が文化をつくり、その文化が人のタイプを決定する。(p.42)
富の集中はごく自然な避けようのないことで、暴力的、あるいは平和的再配分によって時々緩和される。この視点からとらえると、経済史とは、富の集中と強制的再配分という収縮・弛緩を繰り返す社会的有機体のゆっくりとした心臓の鼓動であるといえよう。(p.86)
社会主義は資本主義への恐れから自由を拡大し、資本主義は社会主義への恐れから平等をめざしている。東は西、西は東、両者はやがて相まみえる。(p.101)

いろいろな歴史の切り口があり、勉強になりました。歴史についてはさらに深く学びたいと思っていますが、その際も大局的な観点は忘れずに吸収したいと思います。

(気に入ったら投票をお願いします!)

にほんブログ村 経営ブログへ
にほんブログ村

 

 

コメントを残す