アイデアは敵の中にある


アイデアは敵の中にある -「結果」を出す人は、どんなコミュニケーションを心がけているのか

アイデアは敵の中にある
―「結果」を出す人は、どんなコミュニケーションを心がけているのか
著者:根津 孝太

内容紹介
個々の能力を最大化し、人をやる気にさせる「クリエイティヴ・コミュニケーション」とは?おたがいのコミュニケーションを阻害する「デフォルトの壁」
相手の「当たり前」=「デフォルト」を想像し、「デフォルトの壁」を超えていく技術!

新しいアイデアは、往々にして敵対する人のなかにあるものです。敵対するということは、自分だけでは気づけない〈何か〉が、相手のなかにあるからです。
それを探らないで最初から突っぱねてしまうのは、非常にもったいない。
「会話のなかに反対意見が差し込まれたら、ラッキーと思え」。
相手の異論を宝物として、「戦略的な思考」をもって向き合うことの意味です。
それは「自分を成長させてくれるまたとないチャンス」なんです。

*****
「あの人は話が通じない」「何度言ってもわかってもらえない」、そんなすれ違いはいくらでもあると思います。
それらはデフォルトの壁が、そもそもの原因になっていることが多いんです。
では、あきらめるしかないのか? ぼくはそうは思いません。
むしろデフォルトの壁があるところに、クリエイティヴなコミュニケーションを展開させるチャンスがあるんです。

[目次]
イントロダクション
「結果」とは何だろう/客観的な結果と主観的な結果/問題を「自分化」する/日常を覆う閉塞感の原因/セクショナリズムと自分の現実/プロダクトデザインという仕事/モノづくりにとって大切なこと/コミュニケーションを誘発する製品/会議を踊らせる/コミュニケーションはデザインできる

第一章【基本編】――社会の閉塞を超えるコミュニケーション
◎モノづくりを支えるコミュニケーション
◎マイナスをプラスに変えるコミュニケーション
◎人をやる気にさせる戦略
◎「苦いパウダー」のむこう側

第二章【実践編】――コミュニケーションをモノづくりからデザインする
◎世界に類を見ないモノをつくる-〈ゼクウ〉開発物語
◎つくり手と使い手を繋ぐデザイン
◎お客さんを巻き込む未来のモノづくり

第三章【技術編】――コミュニケーションの不調を救う心がけと構え
◎デフォルトの壁、親切と素直について
◎組織と効率、セクショナリズムを遠く離れて
◎「クリエイティヴ・コミュニケーション」という方法

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 図書館の新作で発見!
[目的・質問] 「敵の中」?とは何ぞや?
[分類] 501:工業基礎学

 

さて、図書館で表紙の根津さんと目が合いまして、借りないわけにはいかなくなりました。(笑)

さて、これまた珍しい・・・NDC分類501の「工業基礎学」・・・これ初めてじゃないかなぁ。興味深いです。では読み進めていきます。

部門や部署を意味するセクションと、主義を意味するイズムがくっついて、「縄張り主義」とか「タテ割り構造」と訳される概念です。現代の閉塞した社会を説明するのに、この言葉ほど的確にその実情を言い表す概念はないように思います。・・・日常的に感じているストレスの原因を辿ってみると、その多くは、コミュニケーションの不調にあることが分かると思います。なかでも、自分では正当と持っている要求や疑問が、相手のセクショナリズムに弾かれてしまったときほど、疲れることはありません。話が噛みあわず、すれ違いの連続で、いくら言葉を並べても分かってもらえない。コミュニケーションを取ろうという意思が、一方的に断絶させられてしまったときの、あの徒労感です。(pp.22-23)

今年もこれに苦労しました。徒労感・・・よく分かります。

 

そんなセクショナリズムが厄介なのは、それ自体が社会のシステムとして構造化されていることです。時間をかけて構造化されたシステムは、何らかの大きな変革でも起こらない限り、根こそぎ取り除くことができない。その構造の中で生きていくしかないわけです。(p.24)

著者は、「コミュニケーションという道具」を使って、それを変えることができると言います。

 

「道具」をうまく使いこなす「方法」を知り、実践して、「技術」を身につけたい。コミュニケーションをいかにクリエイティブな営みにしていくか(p.25)

これを本書の最大のテーマとして掲げています。

重要なのは、プロダクトのデザイン以前に、プロダクトをめぐって交わされるコミュニケーションのデザインなんです。それには、どんな意見にも耐え得る柔軟性を準備していなければなりません。相手の立場や背景を尊重し、自分とのあいだには違いがあるということをわかったうえで、話し合いに臨む。ネガティブな反応をいかに自分の味方にするか、会議ではその方がずっと大事なんですね。会議とは本来、個々の能力を最大化し、人をやる気にさせるもっともクリエイティブな場なんです。でもいま、多くはそうなっていない。会議を「良い仕事」に繋げ、結果を出すには、先ずお互いのコミュニケーションを活性化させること。そこに懸かっているとと思います。(p.34)

言いたいことはすごく良くわかります。でも・・・・でも・・・なんですよね。例えば、お互い「あるべき」は分かっているんですが、たまたま目標となるKPIがトレードオフを生じるような場合だったりすると・・・そう簡単にはいかないんですよね。

 

「コミュニケーションのデザイン」と言っても、いつもうまくいくとは限らない。でも、お互いの間に何らかの壁が立ちはだかったとき、どうして相手はそう考えるのか、それがわかればきっと修正はきくはずです。自分の意見を認めさせることより、まず相手との違いを積極的に認めることで、はじめてコミュニケーションのデザインは可能になります。(pp.34-35)

そういうことなんでしょうけど・・・一筋縄ではいかないんですよね。うまくいかせる方法・・・何とか見つけたいです。最後までに「気づき」に出会えるでしょうか・・・・。

 

チームの結束は、ネガティブな反応や反対意見を排除することでは生まれません。ネガティブに対してネガティブを返しても何も生まれない。どうにかしてメンバー個々の考えや意見を受け止め、少なくとも受け止める努力をして、ポジティブな方向へ持っていく自覚と能力が必要とされます。それは猪リーダーの条件でもあると思う。(pp.49-50)

おっしゃる通りで、こちらが相手を受け止めて、受け入れても、相手がこちらの意見を汲んでくれない場合・・・そんなときはなかなか難しいです。

 

コミュニケーションがうまくいかない理由は、リスペクトできるポイントを相手の中に見出すことができていない、じつは自分の問題なんです。(p.52)

なるほど・・・・私の相手へのリスペクトが足りないので、相手も私をリスペクトしていない・・・それで、お互いがすれ違う。そんな感じなのでしょうか。

 

異なる言葉を持つ相手に対して、まずみずからの言葉を工夫する。相手をどうやってやる気にさせ、自分の味方にするか。「戦略的な思考」を持つということは、相手への最高のリスペクトなんです。・・・・そのような戦略的コミュニケーションをは、相手をとおして、最後は自分に影響を与えるんです。相手がうれしければ、それだけ自分もうれしくなる。相手に話してもらえれば、それだけ自分が変わるチャンスも増える。相手がやる気になれば、自分も俄然やる気になる。相手のために言葉を重ねるのは、すべて自分に返ってくるいわば投資なんですね。(p.67)

プレゼンでも同じで、「相手の側に立って、相手が求めていることを説明をする」ということと同じことなんでしょう。

相手が対立していると早合点するから、反対意見を排除して、安易に居心地のいい状態をキープしようとするんです。そうではなくて、それまでひとりでは気づけなかったアイデアの入り口、自分の外にある創造性の宝庫を、わざわざ相手が開いてくれている。それは有り難い、とても貴重な機会なんですね。・・・悩みも苦しみも、軋轢もきつさも、あって当たり前。その事実を認め、超えていくには、わかりやすい目先の充足を求めるのではなく、ある程度長い時間軸で、課題をひとつひとつ丁寧にこなしていくしかありません。それがノーマルな状態だと思うしかないんですね。(pp.68-69)
自分が持っているデフォルトは、他人にとってのデフォルトではない。そこにはデフォルトの壁が立ちはだかっている。それが基本です。誰もが日々いろんな問題にぶつかって生きている。万人に共通する当たり前の現実など、存在しないんですね。(pp.168-169)
相手が技術者なら、技術系の専門用語は使い放題。でもそれ同じデフォルトで営業部門の人と話してもうまくいきません。そこにはよくよく戦略的な思考を働かせて、相手のデフォルトを探りながら話す必要がある。自分の当たり前が、他人の当たり前ではないという気づきが、クリエイティブな関係性をはぐくむんです。(p.172)

議論が噛みあってないときって、こういうときが多いですよね。複雑な議論のときほど、簡単そうな言葉の捉えている範囲が双方で異なっているというようなことが多々あります。最初に言葉の定義をしておくとスムーズにいくことが多いです。学術論文発表などは、そういうパターンの発表が多いですね。

最後まで読みましたが、タイトルに違和感を覚えました。反語的な意味なんでしょうか。結局、相手をリスペクトして、目の高さをいったん合わせたうえで、角度を変えたり、高さを変えたりしながら、意見をぶつけ合うことのコラボレーションにより、アイデアがブラッシュアップされていくという流れだと思います。

個人的には、「敵」というようなネガティブな言葉は使わないほうがよかったのではと思いました。

結構、タイトルに引っ張られながら読んだので、どうも後味が悪い感じがしたままになってしまいました。

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