マーケティング・チャネル管理と組織成果


マーケティング・チャネル管理と組織成果

マーケティング・チャネル管理と組織成果
著者:結城 祥

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] amazonのレコメンデーション
[目的・質問] まさにチャネル管理と組織成果、特にどう図ったかは見たいです。
[分類] 675.2:市場調査.市場予測, マーケティングリサーチ

製品は、生産を起点とする多段階の取引連鎖を通じて、その最終的な到達点である消費者へと流通される。この垂直的な取引連鎖は一般に「流通チャネル」と称されるが、今日観察される流通チャネルの多くは、その特定の構成員が自身のマーケティング目的に照らして当該チャネルの一部もしくは全体を管理する、いわゆる「マーケティング・チャネル」としての性格を有している。マーケティング・チャネルを編成する者は通常、「チャネル構造」と「取引関係」という2つの管理問題に直面する。ここでチャネル構造の管理とは、自社製品の販路数を制限するか拡張するか、さらには最終消費者に至るまでに何段階の取引を介在させるか、といったチャネル全体の構造設計に関わる意思決定と行為を意味している。また取引関係の管理は、個々の取引相手からの同調をいかに獲得するか、つまり各取引相手に自身の意向・期待に沿った行動をいかにとってもらうか、という問題に関わっている。(p.2)

まずは、「マーケティング・チャネル」の定義です。そして、本書での研究としては、製造業者にちゅもくし、それが買手群との取引関係とチャネル構造をいかに管理するのか、そしてその管理の様相と当該製造業者の組織成果がいかなる因果関係を有するのかを説明すること(p.2)としています。

チャネル研究者はこれまでに、チャネル行動やその成果の記述・説明を目指して多数の研究アプローチを提唱してきた。ここでその系譜を辿ってみると、マーケティング・チャネル研究はまず、チャネル構造の選択問題を取り扱う「チャネル構造選択論」としてスタートする。次いでチャネルを単一組織の延長線上にあるシステムと見做し、システム内部の協調と対立の管理に注目する「チャネル拡張組織論」が登場する。そして、その後に、チャネル管理の本質は取引相手との売買関係を維持しつつ、同時に取引相手に対しいて統制や命令を行いうる内部組織的性格を、その売買関係の中に組み込むことにあるとする「チャネル交渉論」や、その内部組織的性格の形成・維持が組織間のパワー構造に依存すると主張する「チャネル・パワー論」が出現した。さらに近年においては、組織間協調の生成・維持の説明を目指す「協調関係論」が登場し、チャネル研究の代表的かつ有力なアプローチに位置付けられるようになった。(pp.3-4)
本研究が取り組む研究課題は、・・・以下の3点に要約される。まず、第一の課題は「異質な同調獲得様式の形成条件」の解明であり、統制と協調という2つの同調獲得様式がいかなる条件の下に形成されるのかが検討される。次いで第2の課題は、「取引関係管理とチャネル構造管理の相互関連」の説明であり、具体的には、取引関係管理行為である同調獲得と、チャネル構造拡張行為である販路開拓がいかなる相互関連を有するのか、そして製造業者がこれら2つの行為のバランスをどのゆに管理するのかが問われる。最後に、第3の課題は、「チャネル管理と組織成果」に注目するものであり、同調獲得と販路開拓というチャネル管理の両輪が、製造業者の組織成果とどのような因果関係を有しているのかが、議論の焦点となる。(p.8)

ちなみに、組織成果とは、「市場シェア、売上成長率、投資収益率」(p.5)と定義しています。

問題意識については、共有できました。これは難しいですね。多種多様であり、また近年のテクノロジーの発展要素まで取り入れようとすると、研究は終われないですね。

上記3点について、章立てしながら、詳しく分析が進められていきます。詳しくはお読みいただけたらと思います。

最後の「結論と展望」で興味深いことが書かれていましたので、引用しておきます。

田村(1996)は、市場という場において、マーケティング行為がマーケティング目的の実現(組織成果の向上)に及ぼすインパクト力を「マーケティング力」と呼び、その主要構成要素として製品開発力、価格競争力、営業力、そして経路力を挙げている。本研究はこのうち、製造業者の経路力を支える2大要素として同調獲得と販路開拓に注目してきた。しかしより広い視点に立つならば、経路力と他のマーケティング力との関連についても検討する必要がある。(p.256)

そうなんです。この部分についてむずむずしていました。

経路力と他のマーケティング力との間に密接な関係があることは容易に想像できる。たとえば、製品開発力が高く他社製品との差別化に成功している製造業者であれば、その製品開発力ないし製品ノウハウを基盤とするパワーによって、高い販路同調水準を実現できるであろう。逆に高い販路同調水準を実現している製造業者は、それに基づく濃密な情報交換を通じて、高度に差別化された新製品の開発や効率的な製品流通体制の確立が可能となるかもしれない。さらに高い価格競争力を持つ製造業者は、その機動的な価格調整能力を武器に多様な販路を開拓できるであろう。このように、経路力とマーケティング諸力の間には、相互補完的な関係が存在し得るのである。今後はこの点を考慮して、チャネル行為が他のマーケティング力とどのような有機的関連を有しているのかを探求することが求められるであろう。(p.256)

マーケティング力・・・この著作、気になります。
今までは、私自身が流通業という位置づけで仕事をしているので、マーケティングをB2Cという直接お客様とのつなぎの部分、最終末端部分でしか考えてませんでした。ですが、トータルな意味でのWin-Winで考えると、製造業視点でのマーケティングも当然あり、そのなかで流通がどう絡んでいくかというなかで役目を果たさなければならないわけです。そこまで考えて、デザインしなければならない・・・当たり前なのでしょうが、流通という中にずっといるとそこを忘れて、メーカさんに対しても天狗の態度で接したり、そんなことをしていると、メーカーさんも離れていくし、最終のお客様も離れていく・・・きっとこの厳しい時代、どれだけ味方をつけているか、それも勝敗の大きな要素となるでしょうね。

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