「情」と「理」 話し方の法則

「情」と「理」 話し方の法則: 「言葉」は不器用でも、足りなくてもかまわない (単行本)

「情」と「理」 話し方の法則: 「言葉」は不器用でも、足りなくてもかまわない
著者:岩田 松雄

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 岩田さんシリーズということで・・・。
[目的・質問] 話し方・・・これまで気づかなかったこといただけたらと。
[分類] 336.4:人事管理.労務管理.人間関係.ビジネスマナー.提案制度

情報が氾濫している現代、“「何」を言うか”より“「誰」が言うか”が、ますます問われるようになってきたのではないでしょうか。何かを伝えようとしたとき、その人となりや経歴、何を思想の拠り所としているかという【話す人の人間性】がコミュニケーションで大切になっている―そう私は強く実感しています。(p.3)
コミュニケーションは“「どのように」伝えるか”も大切です。まず「結論から言う」「良いことから伝える」「ワンメール・ワンメッセージ」など、【相手に分かりやすい伝え方】が求めらえるということ。「伝わる」と「伝える」は、まったく意味が違います。・・・ある情報を伝えて、何らかの影響を相手に及ぼしてはじめて「伝わった」ことになるからです。(p.3)

岩田さんも言われてたんですね。私も部下に「伝える」と「伝わる」については、伝えています(伝わっているかな?)。また相手が動かないとなるとそれは伝わっていないというつもりで、再度のコミュニケーションを取っていかないといけません。

「伝わったかどうか」というおは、相手がその言葉や情報を聞いたあと、何らかの行動を起こして、はじめて伝わったことになる。(p.16)
情報を持っていることに「価値」があるのではなく、それに対してどんな哲学や考え方などを持っているのか、さらに誰がその情報を言っているのかが、とても大切な時代になってきています。(p.17)
その人の「人となり」「相手に対する印象」によって、伝わり方は大きく変わる。それを意識することが、強い信頼関係をつくるコミュニケーションの大前提なのです。(p.19)

これについてはいろいろと考えます。たとえば先輩へのため口でタイミングよくそれを使えて許される者もいれば、それが許されない者もいる。まさにその人の「人となり」なのでしょうね。無理せずに常に丁寧語というのが一般人には良い方法なのかもしれません。

「情」や「徳」といった人への思いやり、誠実さ、志の高さこそが人を評価する大切な物差しであるべきです。・・・安岡正篤先生は、才より徳が勝る人を「君子」、徳より才が勝る人を「小人」として、前者の代表例を西郷隆盛、後者の代表例として勝海舟を挙げています。(p.26)
まずは自分をオープンにして、「みなさんのお役にお役にたつために頑張りたいのです」と伝える。そうすれば、相手もオープンになり本音で語ってくれるようになります。自分の背景を話す。相手の背景を聞く。コミュニケーションにおける、大事なポイントだと思います。(p.32)
目に見える経歴だけでなく、その背景を知らないと、その人のことを本当には理解できません。その人の言葉の意図も分かりません。だから私は、面接のときには、「あなたの強み・弱みは何ですか?」「今までの人生で、自分が一番光り輝いていたときはいつか教えてください」と必ず聞くようにしていました。(p.33)
本物の実力者は自分を大きく見せる必要がないのです。本当は胆力も備わっていて実力もあるけれど、誰に対しても謙虚に丁寧に接する。そういう人に、とても憧れます。・・・誰に対しても、リスペクト(尊敬)をするように心がける。これができると、いつも同じ態度ですみ、ラクになります。コミュニケーションに悩むことも亡くなってくるのです。・・・相手によって態度を変えたりしないで、自然体で接する。誰に対しても敬意をもって、謙虚に接する。結局はそういう人が、多くの人と強い信頼を築いていけるのだと思います。(pp.39-44)
コミュニケーションというのは、「鏡」のようなものです。自分が心を開けば、相手も心を開く。自分が変われば、相手にも変化が生まれます。人間関係には、そういう「鏡の法則」があるのです。自分の思いや言動しだいでまわりの空気が変わり、経営者ならば会社全体に影響します。もしあなたが今、何も実績がなく、まわりから信頼されていないと感じるのなら、まずは仲間を、仕事を、会社を愛することからはじめてみてはいかがでしょうか。心からの思いは、自然と相手の心に伝わっていくものです。(p.47)
「人を動かくことのできる人は、他人の気持ちになれる人である。その代わり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。自分が悩んだことのない人は、まず人を動かすことはできない」(本田宗一郎) (p.65)
挨拶がすべてのはじまりです。初歩的なことですが、信頼関係を築く基本中の基本なのです。「挨拶」は、もともと禅宗の言葉で、「挨」は押す、「拶」は迫る意で、修行者が互いの修行の成果を質問しあうことにょって、悟りや知識、見識などの度合いを、確認する行為を指していました。我々が気軽に使っている言葉でも、それほど意味が深いのです。(p.70)
建物の窓ガラスが割れたまま放置していると、やがて他の窓もすべて割られてしまう。これはアメリカの犯罪学者、ジョージ・ケリングが提唱した「割れ窓理論」という考え方です。・・・考えてみると、いつもゴミ一つ落ちていないディズニーランドでは、誰もゴミを捨てようとしません。人間は、このように他人や環境にとても影響されやすいものなのです。(pp.102-103)
常に誰かの悪口やグチを言っているネガティブな人と付き合っていると感化され、どうしても自分もそのような人になってしまいます。だからこそ、いい人と付き合うべきです。プラスの影響を受けるような人と付き合って、自分をポジティブにする。そのほうが絶対に幸せになることは明らかです。(p.103)
相手に、“メッセージ・ボール”を投げるとき、私は3つのことを意識しています。
「どういう状況なのか」
「どういう相手なのか」
「どういう内容(コンテンツ)なのか」
・・・同じ内容でも、言い方を変える、タイミングを変える、ツールを変える。そして良く準備する。それによって、「伝わり方」が変わります。(p.118)
人に何かを伝えたい時にお薦めの方法があります。簡単に要点を箇条書きでメモして、それが複数あるなら、事前に順番も含めて考えておくのです。一般的には、悪い話を先にして、良い話を後にすることによって、良い印象を残すようにします。ただしその悪い話がかなり重大かつ深刻であれば、それだけを話して、良い話は別の機会に伝える方がいいかもしれません。相手がショックを受けて、他の話が耳に入らなくなる恐れがあるからです。(pp.118-119)
伝え方の中でも特に難しいのは、やはり「悪い話」でしょう。これも相手や状況によりますが、まず結論を伝えて「謝る」ことが大事です。「申し訳ありません」と最初にきちんと謝ってから、「実は、こういうことが原因でして・・・」と経緯を伝える。ただし、諸外国では、謝ることが必ずしも正しいとは限りません。たとえば、アメリカでは自動車保険に入ると、「“I’m sorry.”と言うな」と言われます。事故を起こして、「I’m sorry」と言った瞬間に、自分がすべて悪いことになってしまうからです。・・・でも、少なくとも日本では、謝ることが先決だと思います。まずは、自分の過ちを認めることからはじまる。相手にしても、自分が悪いと思って素直に謝っている人に対しては、そんなに厳しく追及しません。・・・一番いけないのが責任回避して人のせいにすること。お互いが感情的になって、「売り言葉に買い言葉」となってしまい、収まる話も収まらなくなってしまいます。・・・「悪い話」のときこそ結論を言う。しかも自分の責任だったら「申し訳ありませんでした」と最初に謝る。その態度次第で、あなたの度量が試され、その後の相手の対応がまったく変わってくるのです。(pp.120-122)
たとえば日々の小さな努力の差が長い間で大きな差が出ることを、このように書くとどうでしょうか。

【1.01の法則 1.01の365乗=37.8】
毎日、前日より1%多く頑張ると、1年後には37.8倍になる。
【0.99の法則 0.99の365乗=0.03】
毎日、前日より1%さぼると、1年後には0.03倍になる。

数字で示されると、すごい説得力になるのです。毎日ほんの少し頑張るか頑張らないかで、一年経つとこんなにも大きな差が出てしまうことが実感できます。(pp.127-128)

とあるのですが、これは極端すぎて、リアリティに欠けます。リアリティのあるのは、次のような計算ではないでしょうか。
ベース能力 1 成長度 0.01 としますと、
今日の能力=1+0.01=1.01
明日の能力=1+(1.01-1)*1.01=1.0101
1か月後(30日後)の能力=1.013345
3カ月後(90日後)の能力=1.024244
6カ月後(180日後)の能力=1.059958
12カ月後(365日後)の能力=1.374093

次にさぼるほうですが・・・・
ベース能力 1 成長度  ▲0.01 としますと、
今日の能力=1+▲0.01=0.99
明日の能力=1+(0.99-1)*1.01=0.9899
1か月後(30日後)の能力=0.986655
3カ月後(90日後)の能力=0.975786
6カ月後(180日後)の能力=0.940636
12カ月後(365日後)の能力=0.625907

これくらいがリアリティがあるんじゃないでしょうか?
どうでしょうか?

ドラッカーはこんなことを言っています。上司に報告をする時は、その人が「読む人」なのか「聞く人」なのかをちゃんと意識しなさいと。「読む人」には、文書で提出する。「聞く人」には、できるだけ口頭で報告する。「伝える」だけでなく「伝わる」ようにするためには、そこまで気を配る必要があるでしょう。(pp.130-131)
人は感情の生き物です。最初にいい話や関心のある話から入れば、気分が良くなり、相手の頼みごとや悪い話も聞きやすくなるものです。これは普段の会話でも、会議でも同じです。(p.131)
「君でさえ難しかったんだね。次回も期待しているよ」と言われれば、よし今度こそ、となります。だからこんな言葉で締めるといい。「今回は残念だったけれども、期待している」そんな思いを込めて話すことは、信頼関係を築くためにはとても大事です。(pp.134-135)
相手の自尊心を傷つけないような心遣いをするべきです。私がよく使っていたのは、「あなたらしくない」という言い方でした。あなたは本来もっとできる人だ、というニュアンスが伝われば、相手の自尊心を傷つけることなく、素直に指摘を受け入れてもらいやすくなります。叱り方というのは、とても難しいものです。だからこそ、細心の配慮が必要なのです。褒めるときはみんなの前で褒めて、注意するときは一対一で。それが原則です。(p.142)
人徳があり尊敬されている人なら、あまりうるさく注意しなくても、ちょっと言えば「この人に言われるなら!」と、相手は深く反省する。『論語』にこういう言葉があります。「その身正しければ令せずして行われ、その身正しからざれば令すといえども従われず」・・・リーダーとして「人を治める前に自分を修める」ことがとても大切なのです。(pp.143-144)
会社というのは、上の立場になればなるほど、視点が全く違ってきます。下の立場では分からない事情もあります。できるだけそういう背景を説明して、どうしてこういう判断をしたのかを説明する。そうすれば、みんなも納得するし、次回同じようなことが起こってもわざわざ上に聞かなくても、対処できるようになります。「何をするk」だけではなく、「なぜするのか」も説明すること、ことの真意や背景をきちんと伝えることは、上に立つ人の大事な役割です。(p.154)
「誠実でなければ、人を動かすことはできない。人を感動させるには、自分が心の底から感動しなければならない。自分が涙を流さなければ、人の涙を誘うことはできない。自分が信じなければ、人を信じさせることはできない。」(ウィストン・チャーチル)(p.159)
上司対策として、私が「上司の上司」になったときに気づいたことがあります。自分の上司が「その上の上司に」どう接しているか―そこをよく見るのです。たとえば、上に対してゴマをする人は、自分も部下にそうしてほしい人。自分の部下にゴマをすってほしいと望んでいます。自分は最高の部下だと思っているわけですから、自分が部下としてしていることを、自分の部下にも求めるのです。(p.175)
私が座右の銘としているのは安岡正篤先生の「六中観」です。常に私に指針を与えてくれます。(po.195-196) → より詳しい文書を下記に紹介。
こちらより引用
安岡先生のことば。はじめの三つは『新憂樂志』の説明を引用する。

一、忙中 閑有り。
ただの閑は退屈でしかない。真の閑は忙中である。ただの忙は価値がない。文字通り心を亡うばかりである。忙中閑あって始めて生きる。

二、苦中楽有り。
苦をただ苦しむのは動物的である。いかなる苦にも楽がある。病臥して熱の落ちた時、寝あいた夜半に枕頭のスタンドをひねって、心静かに書を読んだ楽は忘られない。貧といえども苦しいばかりではない。貧は貧なりに楽もある。古人に「貧楽」という語があり、「窮奢」という語もある。

三、死中活有り。
窮すれば通ずということがある。死地に入って意外に活路が開けるものである。うろたえるからいけない。それのみならず、そもそも永生は死すればこそである。全身全霊をうちこんでこそ何ものかを永遠に残すこと、すなわち永生が実現するのである。のらくらとわけのわからぬ五十年七十年を送って何の生ぞや。

あと三つは、先生の『百朝集』の註を紹介する。

四、壷中天有り。
世俗生活の中に在って、それに限定されず、 独自の世界即ち別天地をいう。後漢書方術伝・費長房の故事に出ず。

五、意中人有り。
意中の人というと、恋人の意に慣用するが、 ここでは常に心の中に人物を持つ意。或いは私淑する偉人を、 或いは共に隠棲出来る伴侶を、又、要路に推薦し得る人材をここというようにあらゆる場合の人材の用意。

六、腹中書有り。
目にとめたとか、頭の中の滓(かす)ような知識ではなく、 腹の中に納まっておる哲学のことである。

そして先生はこの「六中観」をこう結んでおられる。

「私は平生窃(ひそ)かに此の観をなして、如何なる場合も決して絶望したり、 仕事に負けたり、屈託したり、精神的空虚に陥らないように心がけている。」と。

なぜその仕事をするのか。これは仕事をする上で、とても大事なことです。ほとんどの人は、一番大切な“本質”を見ないで、上司やマニュアルを見て仕事をしているのではないでしょうか。・・・「何」をするのかではなく、「なぜ」するのか。仕事をしていて迷った時は、必ずこの原点に帰って考えればいい。それができる人は相手の心を動かす言動ができ、必ず大きく成長していける人だと考えます。(p.225)

これまで読んだ岩田さんの作品と重なるところは多かったのですが、さらに深く語っておられる部分を中心に抜き出した。コメントを挟もうかと思いますが、あまり言葉を指し込むことはできませんでした。

本文にもでてきましたが、「学ぶとはまねぶ」です。いいところはしっかりと真似ながら、自分のオリジナリティとしていきたいものです。

一日、少しずつでも成長できるように一緒に頑張っていきましょう!

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