ブランド 「自分ブランド」を築く48の心得

ブランド 元スターバックスCEOが教える「自分ブランド」を築く48の心得

ブランド 元スターバックスCEOが教える「自分ブランド」を築く48の心得
著者岩田松雄

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 別々のルートで知り合った友人が、共に岩田さんとはお知り合いということで。
[目的・質問] 「自分ブランド」の磨き方、マスターします。
[分類] 159.4:経営訓

「ブランド化する」ということは、企業にとってきわめて重要なことです。
その企業の使命や価値を多くの人に知ってもらうことで、
働き手は「見られている」ことをつねに意識し、
自分たちを高める努力を怠らず、
「自分たちらしさ」をさらに追求していくようになります。
こうなるとブランド価値はさらに高まる。
まさに好循環を創りだすのです。
これは個人も同じです。一流の人には、使命感があります。
何のために、誰のために、自分が存在しているのかを知っている。
しかし、真の一流になるためには、それだけでは足りない。
人々に自分の使命や価値を伝え、知ってもらう必要があります。
こうして生み出された好循環が、
あなたを真の一流へと押し上げます。
あなたは「ブランド」にならなければならないのです。 (まえがき)

深いです。本当にブランドになれたら、たぶん自分で成長していくエンジンも持っていて、自ら成長していく・・・そんな気がします。

外見や発言内容だけをテクニカルに訓練しても、決してブランドにはなりません。自分の見せ方に重きをおくだけの、今流行の「セルフ・ブランディング」では、人を本質的に惹きつけることはできない。何のために働いているのか、何のために生きているのか、その志を持つ人だけが、人を惹きつける一流のブランド人になりえるのです。(p.25)

上っ面だけではイミテーションってことですね。中身が伴っていないと、見透かされます。自分を磨き続けないといけません。

もともと「ブランド」とは、自分の家畜などに焼印を施し、他者の家畜と区別するために行われたものです。つまり他者(他社)と区別するために施されたものなのです。今では他社と差別化するために名称、ロゴ、デザインなどを組み合わせ、他社の製品・サービスより優れていることを顧客に認識させることによって、顧客の信頼感を獲得し、ブランドに「価値」が生まれると考えられています。(p.28)
ブランド化の方法をお話しする前に、私がイメージするブランドとはどのようなものか、ブランドづくりのために注意すべきことは何かについて、次の5つのポイントを紹介することにします。(p.44)

  1. 中身のない誇大広告は反感を買う
  2. 「セルフ・ブランディング」では人を惹きつけられない
  3. ミッションと相反するブランディングは、やがて破綻する
  4. 「〇○株式会社の□□さん」はブランドではない
  5. 「ブランド」は管理しなければいけない

この5つはしっくりきます。特に今の私は4が悩みです。

セルフ・ブランディングの議論は、得てして「どう見せるか」「どう見られるか自分が得をするか」に終始していて、ただのテクニックになってしまっているからです。「世のため、人のために何かをしたい」という、人間として本来持つべきミッションがあり、それを実現するための具体的な行動をすることで、外見にその志が滲み出して現れてくるものが、私の考える「ブランド」です。ただ外見だけを整えても意味がありません。問題はどう見せるかではなく、“結果として滲み出てくるもの”なのです。(pp.48-49)

おっしゃる通りで、作ろうと思ってもそう簡単に作ることができないということになると思います。

大切なことは、自らの内に秘めた志が、「他人にはどう見えているか」を管理することです。そもそも他人には、自分の志が見えているだろうか。見えているとしたら、自分の志と違ったイメージで伝わってしまっていないか。それを認識することから始めてください。(p.55)
面白いもので、お金儲けが大好きな人、ステータスや権威ばかりに目が行く人、自分だけを大切にだと思っている人の周りには、不思議と同類が集まってきます。「負のブランド」が集まるのです。逆に、世のため人のために頑張りたいと思っている人が、それを表現すれば、やはり同志を呼び寄せる効果があります。何らかのミッションを帯びて、仕事をしている人は頑張れます。ある会社でいい仕事をしている人には、やがて内外からいい評判が立ちます。最初は「〇○株式会社の□□さん」だったのが、「〇○社のすごい営業マンの□□さん」となり、やがて「会うとこちらが元気になる営業マンの□□さん」になって、もはや〇○社の所属かどうかは大した問題にならなくなります。むしろ「□□さんのいる〇○社」となるのです。(pp.56-57)

ここまでいければ理想です。まさに「ブランド」化している状態ですね。「個」としてのエッジが利いてきているということですもんね。たしか、リクルートの藤原さんのこのあたりの方向性は一つの手段ですね。「現実的に稼ぐために、100万人(100×100×100)に一人の存在となる方法」をご覧いただけると“なるほど”と感じていただけると思います。私もまだまだそこまでいけていませんので、もっともっと磨きをかけないといけませんが、そのためにも皆さんからのコメントもいろいろといただきたく思っております。

自分たちが提供する商品やサービスを心から誇り、お客様に自信をもっておすすめできますか?ブランドづくりのスタートは、そこから始まります。(p.65)

まさに売り手(作り手)としての「矜持」ですね。このブランドとして売る限りはこれは譲れない・・・というのがあるからこそ、お客様はこのブランドだとこのレベルは超えているという信頼・・・これですね。

スターバックスが確固たるブランドであり続ける以上、自らの誇りにかけてコーヒーの美味しさを維持し続け、安売りすることはしない。昨日のお客様にはコーヒーを400円で売りながら、今日から急に300円で売ったのでは、昨日のお客様に対する裏切り行為になります。また、ひとたび安売りをすれば、それが恒常的になり、商品の質を下げることにもつながります。前述の通り、スターバックスの要は美味しいコーヒーです。安売りをすることは、これを脅かすことにつながってしまう。美味しくないコーヒーを売るパートナーたちは、誇りを失うでしょう。安売りは負の連鎖の引き金を引いてしまうことになるのです。・・・電気製品やクルマの価格動向をもっとも熱心に観察しているのは、これから買う人ではなく、じつは買ったばかりのユーザーです。自分が買った値段より大きく値下がりしていると悔しいですし、裏切られたと感じるでしょう。(pp.72-73)
少しずつ悪いイメージを撒き散らし始めても、負の効果もじわじわとしか現れません。しばらくのうちは、財務省表の上ではまるでコスト削減やリストラがうまく進んでいるかのように見えてしまうのです。ここに落とし穴があります。この間、社員たちには、離れていく顧客の姿が見えない。そしてある日突然、大木の幹の中が、がらんどうになっている事実に気づかされるのです。志を失えば、やがてブランドは無力になってしまいます。(p.77)

これは耳が痛いです。社員自身にブランドとしての矜持がないと、もう無茶苦茶なっていくんでしょうね・・・・。築かれたブランド・・・もともと見えないものですが、全く見えなくなってしまいますね。本当に怖いです。

ブランドやイメージとは、結局表面的な「見てくれ」の話なのではないか・・・。そんな疑問に対する答えが、この図になるでしょう。(pp.78-79)

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外から見えやすい部分であるイメージは、外から見えにくい下層の部分にあるミッションやそれを具体化するためのさまざまな要因によって支えられています。このビラミッド型のものが氷山のように海に浮かんでいて、イメージである上部だけが水面上にあって外から見えますが、それを支えるミッションや社風などは水面下にあり、外からはなかなか見えにくいものです。(p.78)

これは岩田さんだからこそ言えたことでしょう。結局、作ろうと思って作ることができるものではないんですよね。ミッションというか哲学があって、それを真摯に純粋に愚直に行ってきた結果できあがるもの・・・・それこそがブランドなのでしょう。

 

ブランドは、決して表層的な部分だけでつくられるような底の浅いものではない。ミッションを土台とした、いくつかのレイヤーの上に成立しているものなのです。そしてこれは、決して企業のことだけを指すのではありません。私たち、個人にとっても同じことです。人に対するイメージは、その人がどれだけの志をもって生きているかによって、まったく異なります。(p.80)
「自分は知っている自分」を「ミッション」とします。「他人は知っている自分」を「ブランド」とします。「自分は知っている自分」とは、つまり自分自身から発する志であり、その内容が他人にも知られているか、知られていないかで、上下に分かれます。一方、「他人は知っている自分」とは、あなたのイメージや表層的に滲み出ているもののこと。つまり、ブランドです。自分で意識しているイメージと、自分では気づいていない他人が抱いているイメージとで、左右に分かれます。(p.84)

■岩田流ジョハリの窓

自分は知っている 自分は知らない
ブランド
他人は知っている ミッション 第1の窓
共通認識・定評
第3の窓
フィードバックをもらうべきこと
他人は知らない 第2の窓
アピールする必要があること
第4の窓
未見の我
ミッションの徹底は、本来その企業が生み出す商品やサービスのブランドとして具現化します。だからこそミッションはブランドと表裏になっているのですが、純度が高まるにつれ、そこで働く人々の個人的なミッションと結びつき、最終的には、そこで働く人材、働いていた職歴そのものが高い価値を帯びていく。まさにブランド化するのです。(p.106)

これはカルビーさんでも少しアプローチは違いますが、そのようなことをおっしゃっていたように記憶しています。次の引用もそこに繋がります。

 

私たちは何のために働いているのか。それを日々考えていれば、規則やマニュアル以上に大切なことが浮かび上がってきます。それは働く人の最も根源的な思いであり、それを考え続けている企業だけが、お客様にかけがえのない経験を与えられる「ブランド」になっていくのです。満たされた現代社会においてブランドをつくるのは、人々の期待や想像を超えたこうした感動体験なのです。(p.109)
企業がブランドになれるかどうかは、その企業の従業員がどれだけ会社に対して愛社精神を持っているかどうかにかかっています。自分の会社に誇りをもっているかどうか。社員が愛していない会社や商品が、お客様にとってブランド価値をもつ、などという都合のいいことはありえません。(p.110)

これは本当に耳の痛い話です。こういうふうになっていくのは、すぐには分からないで、ボディーブローのように効いてくるんでしょうね。

 

スターバックスを崩壊させる3つの方法として、次の内容が引用されていますが、これはスターバックスに限ったことではなくあらゆる企業にあてはまることでしょう。これまた耳の痛い話です。(pp.138-142)

  1. 急拡大する
    店舗拡大を焦ると、間違いなくブランドの崩壊を招いてしまうことに注意しなければなりません。・・・スターバックスのミッションを守り育てながら、成長を持続していくには、必然的に教育、人材に頼る部分が大きくなります。ミッションを体現できる人でなければ、それはただエプロンを着ているパートナーもどきになってしまう。
  2. 値引きやクーポン、セットメニューを導入する
    お客様に対してわざわざ原価のあやふやさ、売り手としての自信のなさをアピールすることにもなってしまいます。お客様はブランド価値を認めているものであれば、ライバルと比較して高いとしても、むしろ喜んでお金を払ってくれます。ブランドはお約束、そのお約束の重要な項目の一つは価格です。・・・自分の商品に自信があり、その価値に見合った価格をつけることが本来のビジネスです。価格を下げることは、自分の商品にその価格にあった価値がないと自ら認めることになります。
  3. 大量のCMや広告、プレゼントキャンペーンを実施する
    こうした手法が招く結末は、中長期的には大切なブランド価値を必ず毀損し、終わってみれば何も残らなくなるという状況です。
自分自身で仕事に意義付けをすることで、仕事への情熱が変わり、誇りが持て、楽しくなる。やがてそれが社内でもお客様の間でもブランド化します。(p.166)
新卒でも中途採用でも、就職活動における面接は、募集をしている会社側と入社する個人のブランドの結びつきによって機会がつかられ、面接が上に行けばいくほど両者の価値観や志を確かめ合う、というのが理想的だと思います。(p.173)

転職活動など、面接に備えて、これはチェック項目です。

 

かのフリードリヒ・ニーチェはこう語りました。
「脱皮できない蛇は死ぬ」
これは、過去の自分の意見や体験に縛られてしまうと、脱皮できない蛇のように、精神が死んでしまうことを言っていて、まさにその通りだと思います。(p.178)
ロール・モデルにする人には、4つの条件があります。
1.大勢に慕われている人
2.勉強家の人
3.謙虚な人
4.行動力のある人

この4つの条件全てを満たす人はなかなかいないものですが、その人の素晴らしい面だけを見るように人と接し、素晴らしいロール・モデルを探してみて下さい。(pp.217-219)

今あなたが自分の仕事とミッションに関連性を見出せなくても、まったく焦ることはありません。現時点で思いつくミッションを掲げ、それと仕事や暮らしを結び付けていく。そしてそのミッションは随時、進化させていくことが大切です。ミッションをつくったら終わりでなく、自分がどんなことに対して、喜びを感じるかを確認しながら、ミッションを進化させていく。これを繰り返すことで、働く喜びが明確になってくるはずです。一流の人たちに「使命感」があるのように見えるのは、彼らがこうしたプロセスを繰り返してきたからなのです。(p.223)
現時点では「未見の我」をどうすることもできません。何せ、自分も知らない、他人も知らない自分なのですから、認知のしようがありません。ただ私は、苦境に追い込まれたとき、辛い局面を迎えているとき、そして迷った時に、自分には「未見の我」=自分の未開発な可能性があるのだ、ということを信じています。・・・この第4の窓は、つねに空白です。空白であるがゆえ、まだ知らない。まだ見たことのない無限の可能性に満ちているのです。私は、「未見の我」を探し続けることこそが、じつは人生そのものではないかと思うのです。まだ見たことのない、まだ知らない自分はどこにいるのか。それを命が尽きる瞬間まで探し続けること。新しい自分に変わり続けること。人間である以上、どんなに頑張っても、絶対にゴールにたどり着けません。それでもゴールに向かって、「未見の我」を一つ一つ手繰り寄せながら進んでいく。それを死ぬ瞬間まで続ける。私は、それ自体が幸せであり、人生の素晴らしさだと思うのです。(pp.234-235)
若い人から、頻繁に受ける質問があります。まとめると、こんな内容になります。「今のままではいけない、もっと頑張らなければいけない、という気持ちは持っているのですが、実際に何をどう頑張ればいいのかが、わからないのです」
彼らに対する私の答えは、シンプルです。
「ミッションをもちなさい」
ミッションがないために、何をすればいいのかがわからないのです。(p.236)

本の作りとしては、どうしても冗長なところが出てきてしまうのは致し方ありませんが、岩田さんの気持ちが強く伝わってきて、大変刺激を受けることができました。

この本を読んだ、きっかけのところにも書きましたが、是非一度、岩田さんとお会いして、リアル岩田さんに触れることができればと思っています。

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