世界戦争を仕掛ける市場の正体

世界戦争を仕掛ける市場の正体 ~グローバリズムを操る裏シナリオを読む

世界戦争を仕掛ける市場の正体 ~グローバリズムを操る裏シナリオを読む
著者:宮崎 正弘,馬渕 睦夫

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 世界戦争?インパクトのあるタイトルで気になりました。
[目的・質問] 市場の正体そして世界戦争の意味するところは何かを学ぶ。

世界大戦争へのスイッチはもう入ってしまいました。・・・後世の歴史家は2015年にこのスイッチが入ったと回想することでしょう。・・・そして、いよいよ今年になって新たに世界の様々な地域で大規模な軍事衝突が顕在化すると予想されます。(P.3)

えっ!それは聞き捨てならないですね!どういうこと??

 

戦争は綿密に計画された結果起こるのです。世界戦争へのスイッチが入ってしまったいま、右往左往しても始まりません。今必要なことは、誰が戦争を計画し、何を目指しているかということを私たちが見抜くことです。(P.3)

世界の近未来の姿はすでに公開されている―ということで二人が紹介されています。

ズビグニュー・ブレジンスキー
Zbigniew Brzezinski
ジャック・アタリ
Jacques Attali
The Choice: Global Domination or Global Leadership 21世紀の歴史――未来の人類から見た世界
The Choice: Global Domination or Global Leadership 21世紀の歴史――未来の人類から見た世界
マネーによる支配が歴史を揺り動かしてきたが、その行き着く先は国家をも含め障害となるすべてのものに対しマネーで決着をつけることになると、宣言しています。マネーの力とはいうまでもなく国際金融勢力のことを指しています。国家経営も利益を出さなければ市場に併呑されてしまうということであり、国際金融勢力により国家もゆくゆくは民営化されると予言しているのです。(P.8-9)
現在の中東テロはイスラム教スンニ派とシーア派の戦いに変質しています。宗派戦争になると相手を絶滅するまで続く終わりなき戦いになる可能性があります。軍産複合体や武器商人にとってこんなに儲かる商売はないのです。このように考えますと、なぜテロ戦争がやまないのかお分かりいただけるのではないでしょうか。テロ戦争はグローバル市場化の手段といえるのです。(P.9-10)
ジャック・アタリは、もう一つ大変重要な予言をしています。それは、グローバル市場化が世界統一政府の樹立につながると指摘していることです。彼は、国家が民営化された後には自然破壊が進み、超格差社会の桎梏の下で紛争が頻発する結果、人類は滅亡の危機に瀕するようになる、と暗黒の未来図を提示して、このような地獄の出現を防止するには世界政府の樹立しかないと断言しているのです。アタリは正解統一通貨、地球中央銀行、そして世界財務機関t、つまり世界統一政府構想を真面目に考えているのです。(P.9-10)
世界統一政府を樹立するには地球規模の大混乱、いわば第三次世界大戦が前提条件だと言っているのです。ブレジンスキーとアタリの見解は、「戦争」と「市場」なのです。(P.10)

大学院で、経済学を学んでいますが、もし戦争が起これば、経済の前提となる「市場」が秩序なきものになっていまう・・・・そうならないためにしっかり学んで異常な動きを敏感に察知できる能力を身につけたいものです。そのためにも、INPUTとOUTPUTで自分自身を高めていかないといけません。

 

さて、第一章は「第三次世界大戦は始まっている」という衝撃的なタイトルで、その始まりは、「パリ同時多発テロ」だと言っています。その後、話題はISに移っていきまして、第二章「ISを作ったのはアメリカ」に。

筆者たちは、ISもアルカイダも作ったのはアメリカだと言っています。

アメリカの外交の、いわば裏の戦略というのは、けっして表には出ないし、公式の歴史にはなりませが、ただアメリカの失敗、アメリカがなぜイラクを攻撃したのかという動機は、イラクの石油を押さえるのが目的だった。それはアラン・グリーンスパンも回想録『波乱の時代』に書いています。「イラク戦争は概ね石油をめぐるものである、という誰もが知っている常識を、政治的に認めるのが不都合であることを、私は悲しく思う」と。(P.60)

そして、第三章「石油・ドル基軸通貨体制の地殻変動」~第四章「世界秩序の破壊者はロシアでは中国」へと進みます。因果関係を辿っていくことで色々なことが見えてきます。

 

商法改正となるとさすがになかなか国会を通らないし、商法改正ではどうしてもできないこともある。そこで、コーポレートガバナンスコードというものにして、つまり法律ではなく、非公式の規範を作って、しかもいやらしいことに、金融庁と東証が組んで、これを守らない企業は上場させない。あるいは上場してても取りやめる。そういう権限を事実上持っているわけです。・・・典型的なのは、社外取締役を入れろ、社外監査役を入れろという箇所です。・・・完全にアメリカの思想ですよ。・・・まさに日本的な、家族的経営が失われます。(P.120-121)

なるほど。東芝の不正会計問題という企業不祥事のタイミングで出てきましたが、もともとこういうことがあったらすぐに出す準備はしていたのかも・・・しれません。

 

人口学者で有名なエマニエル・トッドはこう言っています。(P.121-122)

従業員は同時に製品・サービスを買う消費者であるということが忘れられ、いかに人件費を安く抑えるかということに個々の企業は腐心するようになります。その結果が正規雇用の減少、非正規雇用の増大です。非正規雇用の労働者の生活は不安定で下級階級を構成するようにあり、結婚もできないか、結婚して子供ができても十分は教育を授けることができないので、子供の世代をも下級階級に留まることになり、格差社会になっていきます。このように、自由貿易は労働者を不幸にし、社会を不安定にするのです。(『WiLL』「日本の未来は明るい」2016年2月号)

 

最終章では、「市場」が中国を滅ぼす日と題して、中国経済の見通しは明るくないと書かれており、日本もナショナリズム喪失中だから、国際的な嵐の前に立ち尽くすしかないという脆弱さを伴っていると。

いずれにしても、目先のことで一喜一憂するのではなく、高所大所からものごとを判断できる眼を養うこと・・・・やはりこれに尽きるのではないでしょうか。

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