「日本の経営」を創る


「日本の経営」を創る

「日本の経営」を創る
著者:三枝 匡,伊丹 敬之

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 僕の気になる二人の対談本・・・ということで。
[目的・質問] 執筆される本では語れない脱線話などに期待。

2008年の対談・・・ということで、今から見ると興味深いです。

われわれ日本人は、商品開発では世界に冠たる実績を見せてきたものの、こと「経営手法の創造性」と日本の経営を「革新するための試行錯誤」においては、ひどく立ち後れてきた。(P.2)

この時点では、そう言えたのでしょう。この2016年では、商品開発においても立ち後れが目立ってきております。これも経営手法の立ち後れがガンとなって、その他の要素までをも蝕んでいったのでは、と僕は思います。

【1970年代のアメリカ流経営の弱み】(P.16-47)
①安易な多角化
②高すぎる配当性向
③短期リターン志向
④組織の非継続性
⑤品質よりも目先の利益追求
⑥ものつくりの弱さ
⑦インスタント成金主義
⑧社員の体コミットメント
⑨所得配分の過度の偏り

これって現在の日本の経営にもあてはまる気がします。いま改めて読んでみて、ショックを受けています。現在の小売業など、斜陽業態では少なからず上の9つが当てはまるような気がします。(百貨店は予期せぬ中国からの爆買いで儲かっているようですが・・・・笑)

[三枝] すべての経営リスクの先読みなど絶対にできませんから、やってみたらうまくいかなかったことはたくさんあります。いわんや、社員には見えていなくても、私の頭の中では計算が間違っていたと反省し、自己認識としてはひそかに失敗だったと結論したことはゴロゴロあります。自分の心の中で失敗を認定することができれば、周囲が失敗だと思わなくても自分としては失敗経験を蓄積しているわけで、それを私は「失敗の疑似体験」と呼んでいます。経営者人材として腕を上げていくプロセスではそれが非常に重要だと、ミスミの幹部社員には説いています。(P.92-93)

失敗をすぐに修正する。それが何よりもリスク回避だと思います。意思決定が間違いだと分かったら、すぐに修正することが大切です。間違いをすぐに認めることができるのが、真の経営者でしょう。

[伊丹] ビジネスの現実では、いろいろな要素や条件が錯綜し合っている。三枝さんが言っている言葉で非常に印象的なことがありました。経営者人材というのは、経営的な打ち手としてどのボタンを押したら、どんなことが起きるかっていう経営の「因果律」みたいなものを、頭の中にたくさん貯めることが大切だと。経験の蓄積というのはそのデータベースが豊かになっていくということであり、それによって経営者はだんだんと賢くなっていき、失敗の予知能力が高まって、的を射た行動ができるようになると。(P.99)

経験値・・・その量と質、そして適切なタイミングでそれらを使いこなせるかが、経営者の資質なのだと思います。

[伊丹] 経営の環境と経営の具体策は次のような方程式で結ばれている。

経営のの具体策 = 原理(理念) × 環境

経営の具体策は自分が考える減k理と環境のあり方の掛け算によって決まる。環境が大きく変わっていったとき、それまでは意識していなくとも自分たちの原理が何かを考えた上でなければ、経営の具体策は選択できない。(P.122)

独自の「日本の経営」を創るとは、これまでの日本企業の経営の背後にかなり共通に潜んでいる経営の原理を明示的に意識して、その原理と新しい環境との掛け算をすることである。それは、これまでの経営の良さの原理を維持することにつながるだろう。その原理維持のゆえに、社会としての継続性や安定性が期待できる。そしてそんためには、多くの人が自分たちの経営の原理を改めて明示する努力をする必要がある。原理を考えるのである。それには、抽象化が必要となる。過去の、現在の、自社や他社の成功と失敗の現実から出発して、成功の原理を抽出しなければならない。その抽出作業は、いわば割り算をすることになる。割り算という抽象化である。それは先の方程式を次のように変形すれば、分かるだろう。

原理 = 経営の具体策 ÷ 環境

つまり、過去のさまざまな具体策がどのような環境の下で成果を上げてきたのか、その理由を考えるのである。成功の理由が、すなわち原理である。環境で現実の具体策を割り算して得られる、経営の原則である。(P.124-125)

三枝さんの著書「V字回復の経営」のなかに企業再生の要諦がかかれていますが、こちらにまとめられていましたので、リンクしておきます。

2008年の対談ですが、いまだからこそ深くグッとくることも多々あり、勉強になりました。

その他、お二人の代表的著書はこちらです。是非ご一読ください。

三枝さん
V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫) 戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫) 経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

伊丹さん
経営戦略の論理 〈第4版〉―ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム ゼミナール 経営学入門 ゼミナールシリーズ 創造的論文の書き方

 

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