プロジェクト・デザイン・パターン
企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32
著者:井庭 崇、梶原 文生
★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] おそらくamazonのレコメンデーションで目に留まった気がします。
[目的・質問] 企画のコツを学ぶ
企画の仕事=「プロジェクト」として捉え、そのプロジェクトのつくり方―プロジェクト・デザイン―の秘訣を伝授というのが本書のテーマ。
プロジェクト・デザインは梶原氏が考え、それを井庭氏がパターン・ランゲージを使ってまとめた。
「プロジェクト・デザイン・パターン」の概要
CORE | 企画の哲学 | 1 | 企画の哲学 |
LEARN:情報をつかむ | 自分の感覚 | 2 | 買ってみる |
3 | 直に仕入れる | ||
4 | 体感判断 | ||
整理と編集 | 5 | 偶然の取り込み | |
6 | 自分有の引き出し | ||
7 | 仮組み把握 | ||
他者からの学び | 8 | 予想とのギャップ | |
9 | ダメ事例の研究 | ||
10 | 情報補給 | ||
CREATE:企画をつくる | 企画の要 | 11 | 言われてみれば欲しかったもの |
12 | 隠れた良さ | ||
13 | アイデアの重ね合わせ | ||
アイデアの整理 | 14 | 徹底リスト | |
15 | 考えるための点数化 | ||
16 | 相談の順番 | ||
アイデアの深化 | 17 | 愛着が生まれる余地 | |
18 | 実現のリアリティ | ||
19 | なぜの掘り下げ | ||
企画の作り込み | 20 | 基本の価値 | |
21 | どうやるかの突き詰め | ||
22 | くずしのポイント | ||
企画の強化 | 23 | ひとことで言う | |
24 | なりきって考える | ||
25 | 未来を織り込む | ||
LIVE:企画人として生きる | 自分らしさをつくる | 26 | 好きなことを増やす |
27 | 自分なりの強み | ||
28 | 目標にする3人 | ||
パートナーとの関わり | 29 | 感性の相性 | |
30 | 一緒につくる | ||
31 | プロとしての主張 | ||
PLEASURE | 楽しい記憶 | 32 | 楽しい記憶 |
上記の内容が、プロジェクト・デザインの概要となります。
【CORE】企画の哲学(P.54-55) 思い悩んでいるとき、考える拠り所になるものとして、「自分は何に価値を置き」「何を優先すべきなのか」、自分なりの「企画の哲学」が必要になります。自分の中に明確な「企画の哲学」があれば、どのようなプロジェクトであれ、常にブレることなく、自分らしい企画を立てつづけることが可能になります。 |
まさに哲学、フィロソフィーですね。企画だけでなく事業においても同じことが言えます。著者も「かっこよくて(デザイン性)」「儲かって(事業性)」「意義のある(社会性)」、この3つを必ず満たすべき基準において起業したと書いています。僕も起業する際にはブレない軸を作ってからがあるべきなのでしょう。でも早く動きたいというのもあるし、大きな方向性があるならば、後で固めていってもいいのかもしれません。どうなんでしょうかね。
自分が良いと信じる価値を持った企画を安定して世の中に提供できるようになる。企画者としてのアイデンティティが確立され、自分が手掛けたものには自分の世界観が反映される。自分の企画の哲学を達成し続けることで、他の企画者には真似のできない価値を提供でき、その人らしさを確立した企画者となる。こうして、自分がやりたいと思う仕事が舞い込んでくるようになる。(P.57) |
自分の確固たるブレない「価値観」ですね。もっともっと意識してそれこそ自分で見える化し説明できるようになりたいです。いわゆる構成概念といわれるもの・・・ですね。
【LEARN】自分の感覚(P.60-61) 自分の間隔というのは、自ら能動的に動いて手にする情報に対して、特に強く働きます。物事を判断するために、まずは積極的に行動し、自分の感覚を磨いていく必要があるのです。 |
これだけ日進月歩が激しい時代。勉強して、自分を磨かないと一瞬で立ち遅れてしまします。その危機感をもって生活できているかいないかは大きな違いだと思います。
[買ってみる] (P.63) サービスの受け手が実際に感じる気持ちや問題をつかめていないにもかかわらず、企画者目線で「お客様像」をつくってしまい、わかったつもりになってしまうことがある。・・・自分のお金を払ってサービスを実際に受け、ユーザーの視点や気持ち、不満や課題を自らの経験として感じ取る。 |
[体感判断] (P.67) 人から得た情報に基づくだけでは、現場の状況や環境に合わない企画になってしまう可能性がある。・・・現場で自らの五感で感じたことを大切にし、規格の判断に使っていく。 |
【LEARN】整理と編集(P.68-69) 情報を得て思考を繰り返すうちに、頭の中には自然と引き出しが増えていきます。その引き出しの分類方法、言わば「インデックスのつけ方」が肝心になってきます。 |
本文中にも、あえてインデックスをつけずに強引にアイデアを絞り出すという方法も応用編として書かれています。こちらのほうが突飛なアイデアが出てイノベーション向きだと思います。使いこなしたいですね。
[仮組み把握] (P.75) アイデアを単に思いついたままで止めていると、それを実際に生かす機会はなかなか訪れない。 |
訪れないどころか、忘れてしまいます。そこで筆者は、「一度そのアイデアを含む企画をつくり込んでみて、全体像を把握する」と言っています。なるほど、単なるメモよりもプロトタイプまで作ってしまうとネタ帳的に残りますね。ここまでやってしまう習慣をつけられるかがもう一つのハードルですけどね。
【LEARN】他者からの学び(P.76-77) 失敗の経験wの摘むことも自分の企画を立てる力の向上には不可欠です。でも、できれば自分の失敗は増やしたくはないものです。ならば、他人の失敗事例を疑似体験し学んでしまいましょう。いわゆる評判の良くない事例や、自分としては魅力を感じない事例、それこそが学びの宝庫です。なぜそうなってしまったのか、原因を追究、分析することで、自らの経験則を高めることにつながるはずです。 |
いわゆるケーススタディなどもこのひとつです。そういったケースを見つけてることがまず一つのハードル。そしてもう一つはそれに対して、分析してみる時間を捻出できるか。やはり定期的な勉強会のようなものを開催するなど機会をつくりだす必要があるように思います。
[予想とのギャップ] (P.79) 単に現物を見るだけだったり、事前に調べたことを確認したりするような見方では、自分を高める機会にはなりにくい。これから見に行くものについて、自分ならどのようなものをつくるかを想像し、その想像と実際の違いから、新たな気付きを得る。 |
加えて、ダメな事例についても原因を分析し、学ぶべきだと言っています。
[情報補給] (P.83) 自然と入ってくる情報ばかりに触れていると、自分の関心事に偏ってしまい、新たな視点の企画を生むことはできない。自分の情報の偏り具合を意識して、足りない分野の情報を得るように心がける。 |
【CREATE】 企画の要(P.86-87) 企画のひとつのアイデアだけから作り込もうとしても、他との差別化は難しいものです。複数の方向性を持ったアイデアをいくつも重ね合わせることで、新たな概念や価値が生まれ、企画に強い魅力を持たせることができるようになります。 |
【CREATE】 アイデアの整理(P.94-95) アイデアは頭の中だけで考えていても、多種多様な要素の全体観をつかむことは難しいものです。考え得るすべてを書き出し、書き出し尽くしたところで、全体を見渡してみると、思いがけない物事の関連性に気づいたり、欠落している問題点等が浮かび上がってきたりします。意外な組み合わせで、企画に新たな価値が生まれることもよくあります。・・・アイデアとは一度出したらそれが最終形ではなく、より豊か進化、発展させていくことが大切です。 |
【CREATE】 アイデアの深化(P.102-103) 企画がいったん出来上がったら、「本当にこれでいいのか?」「本当にこれで実現するのか?」「差別化できていないのではないか?」と常に問いかけます。「なぜ?」の問いを投げかけ続けることにより、画期的な企画のヒントをたくさんつかむことができるはずです。 |
【CREATE】 企画の作り込み(P.110-111) 新しさやオリジナリティを持った企画が打ち出せたとしても、基本を押さえていなければ、せっかくの企画も台無しになってしまします。どの企画においても「事業性(儲かるのか)」は非常に重要な基本価値です。安定した「事業性」を持った企画であれば、継続的に価値を提供することができます。常に「事業性」に注視しながら企画をつくり込むことは、プロの企画者としての条件です。 |
【CREATE】 企画の強化(P.118-119) 企画は一言で言うと何なのか?魅力はどこにあるのか?ということです。これがまとまらないうちは、まだ企画の内容にプレがある、と言っていいと思っています。 |
【LIVE】 自分らしさをつくる(P.128-129) 今の「自分らしさ」から未来の「自分らしさ」にどのように磨きをかけていくかを、自分でプロデュースしていきましょう。より自分らしい豊かな企画につながるはずです。 |
以上、アイデアの創造からブラッシュアップまで書かれていました。いわゆるノウハウ本という範疇でしょうか。