夕学講座「長期利益の源泉を考える:オポチュニティとクオリティ 」 / 楠木 建先生

タイトル:長期利益の源泉を考える:オポチュニティとクオリティ
講師:楠木 建(一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授)

日時:2016/4/14(木) 18:30~20:30
場所:大阪商工会議所(サテライトLIVE放送)

オポチュニティ企業
・稼ぐ力の源泉は外部環境のオポチュニティ
―早く速く強い握力でデカいオポチュニティをつかむ
・本社レベルの戦略的選択がカギ
―事業立地の選択とポートフォリオの組み替え
・先行者利益と規模の経済
・成長が一義的目標
―利益はついてくる

オポチュニティ企業の経営のカギは、「ポートフォリオ経営」
→ポートフォリオ経営=投資のセンス

・日本は「ポートフォリオ経営」が下手
―弱い本社・強い現場
・多角化した大企業(=ポートフォリオ)の経営は不向き
―「総合電機メーカー」の迷走
・特定の事業立地で粘り強く事業を展開していく経営が得意
―というより、海外の企業が下手(トレードオフ)
・だとしたら、そもそもポートフォリオ経営をあまり必要としない
経営のカタチにする(トヨタ化)

クオリティ企業
・成熟経済の主役
・稼ぐ力の源泉のシフト
―外部環境のオポチュニティから企業が内部で創るクオリティへ
・事業内部の腰が据わった価値創造
―独自の立ち位置と戦略ストーリーの一貫性
・差別化された顧客価値
―単なる製品・サービスの「質」ではない

クオリティ企業はあくまでも「稼ぐ力」の軸足に注目した類型
・一意専心型
―特定の領域で強みを深堀
・結果的に、売上高100億円から数千億円の企業が多い
・営業利益率10%以上
・時間軸の経営:強みの進化で変化対応
―これに対して、ポートフォリオ経営は空間軸で時間の限界に対処

稼ぐ力の依拠する論理
→ クオリティ企業の戦略ストーリーの手口
→ 戦略ストーリーの淵源
「矛盾を直視する」
→「こうなるだろう」ではなく「こうしよう」
日向の商売 vs. 日陰の商売
・オポチュニティ企業
日向(=オポチュニティ)をいち早く捉える
→ 他社も日向に集まる
→ 模倣障壁 or レッドオーシャン化
・クオリティ企業
陽射しがつくる日陰(=逆オポチュニティに注目)
→ 他社が追随する動機が希薄
→ 独自価値の持続性

儲かる企業は、「日陰の商売」

日陰と日向は裏腹の関係
→ある問題解決が新しい問題を生み新たな問題解決を必要とする

クオリティ企業のエンジン
誘因(incentive)よりも動因(driver)
オポチュニティからクオリティへ
「良し悪し」から「好き嫌い」へ

その他、ZARA、ガリバーインターナショナルも。

最後にこちらの言葉が紹介されていました。

軽快なトークで、非常に分かりやすく刺激の受けるセミナーでした。
ありがとうございました。

▼以下、楠木先生の書籍の紹介です。
「好き嫌い」と才能  好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則  ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

「好き嫌い」と経営  戦略読書日記 〈本質を抉りだす思考のセンス〉  経営センスの論理 (新潮新書)

優れた経営者は、ぶれない「好き嫌い」を持っている人が多いようです。

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