ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

(著者:ラズロ・ボック)

★読書前のaffirmation!
[目的] google での人材育成について学ぶ
[質問] google はどうやって人材を評価し、育成しているの?

(※記述ルール ●引用/◎まとめ/⇒コメント)

⇒グーグル人事担当上級副社長による人材についてどう考えているか、何を学んできたか、人を第一に考え、生き方とリーダーシップを変えるためには何ができるか、ということについて述べた書。アマゾンの評価も非常に高いので、しっかり読んでみることにした。

●本書の執筆に際して私が願っていることの一つは、読者がみずからを創業者だと考えるようになってほしいということだ。会社全体の創業者ではないとしても、チーム、家族、文化の創始者なのだと。グーグルの経験から得られる基本的な教訓は、自分は創業者になりたいのか、それとも従業員になりたいのかを最初に選ばなければならないということだ。これは文字通りの所有権の問題ではない。態度の問題なのだ。(P.54)

◎グーグルに最大の影響を及ぼしたのがプロジェクト・オキシジェンだ。オキシジェン(酸素)と名づけられたのは、「優れたマネージャーは、呼吸と同じで必要不可欠な存在。マネージャーを向上させるのは、新鮮な空気を吸うのと同じ」という理由だ。プロジェクト・オキシジェンは当初、マネージャーは重要ではないと証明しようとしたが、最終的には必須という結論になった。(P.302-303)

●プロジェクト・オキシジェンの8つの属性 (P.312)
1.良いコーチであること。
2.チームに権限を委譲し、マイクロマネジメントをしないこと。
3.チームのメンバーの成功や満足度に関心や気遣いを示すこと。
4.生産性/成果志向であること。
5.コミュニケーションは円滑に。話を聞き、情報は共有すること。
6.チームのメンバーのキャリア開発を支援すること。
7.チームに対して明確な構想/戦略を持つこと。
8.チームに助言できるだけの重要な技術スキルを持っていること。

●グーグルの人事部門のメンバーはあるシステムを開発し、グーグルのマネジメントの質を高めるシグナルを強化することにした。この実にわかりやすい、半期ごとのアップワード・フィードバック・サーベイ(UFS)は、マネージャに関する匿名でのフィードバックを各チームに求めるものだ。UFSそのものがチェックリストになっている。このリストにある行動をすべて実施していれば、あなたは立派なマネージャになれる。(P.315)

●UFSの質問事項のサンプル(P.315)
1.上司は、私が成績を上げるための実行可能なフィードバックをくれる。
2.上司は、「マイクロマネジメント」をしない(部下が処理すべき細かいことにまで手出ししない)
3.上司は、私を一人の人間として見て、思いやりをもって接してくれる。
4.上司は、優先事項である結果/成果物にチームを集中させる。
5.上司は、自分の上司や上層部から得た関連情報を定期的に知らせてくれる。
6.上司は、ここ半年のうちに私のキャリアにかかわる有意義な話し合いをしてくれた。
7.上司は、チームの目標を明確に伝えてくれる。
8.上司は私が効率よく監督できるだけの専門知識を持っている。
9.私は、上司をほかのグーグラーに勧める。

●学習プログラムの効果測定には、もっともふさわしいアプローチがある。人事管理の優れたアイデアの多くと同じように、決して新しいものではない。ウィスコンシン大学教授で米人材開発機構の会長を務めたこともあるドナルド・カークパトリックは、1959年に研修プログラムを4つのレベル―反応、学習、行動、結果―で評価するモデルを提唱した。このモデルには見事なアイデアがちりばめられている。(P.317)
[参考] カークパトリックの4段階評価法

●私たちは約10年かけて、適切な環境要因と内発的な動機づけ(会社のミッション、透明性の確保、組織の運営に対する社員の強い発言権、ものごとを追求して失敗して学習する自由、協力体制を作りやすい物理的空間)を整え、外発的な動機づけとしての報酬体系を洗練させた。そして、次の4つの原則が生まれた。
①報酬は公平に
②報酬ではなく成果を称える
③愛を伝え合う環境づくり
④思慮深い失敗に報いる
(P.363-364)

●チームや職場を変える10のステップ(P.509)
①仕事に意味を持たせる
②人を信用する
③自分より優秀な人だけを採用する
④発展的な対話とパフォーマンスのマネジメントを混同しない
⑤「2本のテール」に注目する
⑥カネを使うべきには惜しみなく使う
⑦報酬は不公平に払う
⑧ナッジ―きっかけづくり
⑨高まる期待をマネジメントする
⑩楽しもう!(そして、①に戻って繰り返し)

●私たちは4つの基本原則にのっとってピープル・オペレーションズを築いてきた。(P.524)
①ニルバーナ(手の届かない理想)を追いかける
②データを使って未来を予測し、形づくる
③飽くなき向上
④型にとらわれないチームづくり

⇒グーグルの凄さを改めて知ることができました。社のミッションである「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を実現するために何よりも「人」に重点を置いているということが分かりました。米フォーチュン誌での「働きやすい企業」のトップランクに選ばれるのもそのような理念に根差して人に接しているからだということなのでしょう。アマゾンでの高評価も納得の1冊でした。

 

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